横浜市の山中竹春市長が市職員に対し行った「ポンコツ」などの暴言や態度が第三者委員会にパワーハラスメントにあたると認定された。だが「ポンコツ」は時に、とんでもないチカラとなって逆襲する。

【映像】現役時代の岡野雅行氏(動画あり)

 「例えるなら…ポンコツの逆襲かな」と自らの映画をそう評したのは『カメラを止めるな!』の監督・上田慎一郎氏だ。上田氏は20代のころマルチ商法にあい、自費で小説を出版するも思うように売れず、借金はあわせておよそ400万円。一時は住む場所も失っていた。

 集められたキャストはほぼ無名。監督はあえて「まっすぐ進めなかった人たち」を選んだという。 製作費はわずか300万円。しかし、この映画は国内外の賞を総なめにし、フランスなどでリメイク版も製作されるなど大ヒット。その言葉通り「ポンコツの逆襲」となった。

 ポンコツの逆襲は他にも。「野人」と呼ばれた元サッカー日本代表・岡野雅行氏の半生を描いた、映画『アンダードッグ ― 日本初のW杯出場を決めたポンコツ男 ―』が製作予定だ。

 1997年、ジョホールバル。岡野氏のゴールが日本を初めてのワールドカップへ導いた、サッカー界のレジェンドだ。いったいなぜ岡野氏の映画だったのか。監督を務めた豪田トモ氏に話を聞いた。

「岡野さんの持つ人間力を持っている人っていうのはなかなかいない。サッカー部がないところでサッカー部を作って募集してみたら、20人のヤンキー来て。練習しないでケンカばかり。初めて練習試合をしたら大乱闘。そこで岡野さんがみんなに訴える、『こんなのはサッカーじゃない』『俺はサッカーがしたいんだ』と。それでヤンキーみんながごろっと変わる。そんな人が日本代表にまでなって、日本の歴史を変えるゴールを決めて、初めて日本代表をワールドカップに連れて行くという、その落差が非常に面白い」(豪田氏)

 岡野氏は高校卒業後、日本大学に進学するも、1994年プロ入りのため中退。2013年、シーズン引退までの20年間で通算488試合に出場し、54得点を記録。日本人トップクラスの快速を武器にファンを魅了し続けた。

 実は映画の製作に入る前、岡野氏から相談されたことがただひとつだけあり、それがタイトルにつながっているという。

「自分をかっこよく描かないでほしい、ちゃんとポンコツに描いてほしいと。ポンコツと呼ばれ続けてた自分が、自分の強みを見つけられて、周りの人にも支えてもらって、ここまでこられたと。そういう話を聞いた時に、これはタイトルにつけてみるとちょっと面白いんじゃないかなと」(豪田氏)

 偉大なるポンコツを描く監督が語る「ポンコツ」とは。「僕は愛らしい言葉として。僕も自分で自分のことをポンコツって言いますし、僕めちゃくちゃポンコツな男なので。今年に入ってからもう眼鏡3本なくしていますし。完璧な人間っていないと思うんですよね。そういう不完全なものも含めて、岡野さんもそうなんですけど、人間って面白いなと思う。ちょっとマイナスに捉えられるような言葉っていうのがこの世から消えてしまうと、人間人生の面白さもなくなってしまう。結局のところは『ポンコツ』っていう言葉自体がどうこうというわけではなく、その立場であったり、言い方であったり、そういうところが課題になってくるのではないか」。

 現在、映画出演をかけた公開オーディションなど、様々な形で参加者を募集している。映画は2027年1月撮影開始、同年秋冬ごろ公開予定だ。

(『ABEMA的ニュースショー』より)