「相手に求める条件は『MARCH』以上で年齢プラスマイナス5歳。高卒が悪いとは思いませんが、育ってきた環境が違いすぎて戸惑いはします。学歴へのこだわりが、婚活のハードルを上げている側面があることは否めません」と苦笑いする。

三者のような挫折経験は「能力が高い東大生にこそ起こりがち」と分析するのは、自身も東京大学の卒業生であり、100人以上の東大生に取材を行ってきた教育ライターの布施川天馬氏だ。

「東大入学に限らず、入学後、卒業後と競争は続きます。全てのレースに勝ち、経済的成功を収められるのは卒業生全体の数パーセントですが、成功者ばかりに目を向け、20代以降の人生を『迷走』する方は少なくない印象です」

では「東大卒」の肩書に振り回されないためには、何が必要なのだろうか。

「例えば海外での学会発表歴、受賞歴など学歴以外に拠り所となる『軸』があるかは大きい。それがないと、転職や昇進などで結果が出せないときに『不当な評価を得ている』と感じやすくなるのではないでしょうか」

東大生の多くは、大学入学まで人生を上向きに歩んでいる。「負け知らず」だからこそ、卒業後の人生で挫折が生まれやすいことは、知られていい。

布施川天馬(ふせがわてんま)
著述家、教育ライター。1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を編み出し、一浪の末東大合格を果たす。著書に最小コストで結果を出すノウハウを体系化した『東大式節約勉強法』、膨大な範囲と量の受験勉強をする中で気がついた「コスパを極限まで高める時間の使い方」を解説した『東大式時間術』など

<取材・文・撮影/松岡瑛理>

【松岡瑛理】
一橋大学大学院社会学研究科修了後、『サンデー毎日』『週刊朝日』などの記者を経て、24年6月より『SPA!』編集部で編集・ライター。 Xアカウント: @osomatu_san