無敵の強さを発揮したスペイン。(C)Getty Images

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 北中米ワールドカップ、スペインは2010年南アフリカ大会以来、二度目の世界王者に輝いている。グループステージ初戦こそ、カーボベルデとスコアレスドローだったが、その後は失点1で連戦連勝。グループステージ最終戦でウルグアイを撃沈させた後、ノックアウトステージではオーストリア、ポルトガル、ベルギー、フランス、そしてアルゼンチンを次々に下した。

 スペインは2024年3月のコロンビア戦以降、一度も負けていない。約2年半にわたって無敵で、優勝している。その強さには少しも文句がつけられない。

「W杯でスペインに最後に勝ったのは日本で。やっぱり森保ジャパンは強い」
 
 そんな主張も見られたが、これほど恥ずかしい解釈はないだろう。

 当時のスペインはルイス・エンリケ監督が率い、ほぼ内紛状態だった。エンリケ監督は国内メディアと衝突、個人メディアを作って配信するなどひどく拗れていた。そんな状況で選手たちもストレスを感じ、とても力を発揮できる状況ではなかった(レアル・マドリー系メディアは「“バルサに寝返った”エンリケ監督がマドリーの選手を冷遇」と独善的姿勢で報道。ここに複合民族国家スペインの難しさがある)。

 つまり、カタールW杯で日本がスペインに勝てたのは僥倖でしかない。圧倒的に攻められながら、選手たちの神がかった奮闘が実って勝ったが、サッカーでは明らかに劣っていた。スペインが一枚岩ではなく、隙を突けた形だ。
 
 自分たちがボールを持って、能動的にプレーできたか?
 
 その点で、日本はスペインの足元にも及ばなかった。
 
 一つは、森保一監督がそうしたサッカーを採用しなかったのはあるだろう。弱者の兵法で、引いて守ってのカウンターが基本だった。もう一つは戦力的に、スペインには太刀打ちできないのもあった。

 しかし、日本が九死に一生を得るような勝利を収め、その成功体験を土台にした一方、スペインはよりボールゲームの精度を高めてきた。それが4年間で、さらに大きな差になった。つまり、日本は勝利を収めたことで、新たな学習ができず、能動的なサッカーには踏み出せなかったのである。戦略で失敗したわけで、それを最後に勝利したことを誇るなど噴飯ものだ。

 覚えておくべきことは、スペインが「W杯優勝のためにサッカーをしている」わけではない点だろう。各地域、各クラブで切磋琢磨し、選手を育成し、トップがしのぎを削る。その戦いのなかで優れた選手を醸成し、代表でそれを束ねることで、力を発揮しているに過ぎない。つまり、彼らは必然として世界王者になっているのだ。