一度購入すると手放しにくい「大きな家具」は、なるべく長く愛用できるものを選びたいもの。整理収納アドバイザーでライフオーガナイザーでもある井手本亜希さん(50代)は、結婚を機に家具をオーダーし、25年経った今も大のお気に入りだそう。井手本さんが実感する長く使える家具の選び方と注意点、後悔しないポイントを語ります。

理想の家具を探してたどり着いた「オーダー家具」の世界

私は結婚して25年になる夫と大学生の息子の3人家族。息子は進学を機にひとり暮らしを始めたため、現在は夫婦ふたりで3DKのアパートに暮らしています。

【実際の写真】25年使っても古臭さゼロ!こだわりの食器棚

結婚当初、さまざまな店舗を回りましたが気に入った家具に出合えず、最終的にたどり着いたのがオーダー家具専門店でした。オーダーしたのは、リビングに置くTVボードとチェスト、ダイニングテーブルとカップボード、整理ダンスの5点です。

筆者が感じる、オーダー家具の主な魅力は以下の3つ。

・インテリアの統一感

・自分好みのデザイン

・サイズや機能面の使いやすさ

木の家具は使用する木の種類によって色味が異なり、バラバラになるとインテリアに統一感を出しにくいのですが、使用する木をそろえることで、自然とインテリアに統一感が生まれます。

さらに、既製の家具だと「ここが〇〇だったら…」と思うことがありますが、細かい部分までオーダーすることで自分好みのデザインに。

また、注文の際、「収納するものに合わせたサイズにする」「重たいものを入れる引き出しにレールをつける」「稼働棚にする」など、使いやすい工夫ができるのも、オーダー家具の魅力です。

オーダー家具でこだわってよかったポイント3つ 

筆者が25年経ったいまでも「オーダーしてよかった」と大満足している家具について、こだわりポイントを紹介します。

●1:大好きなウォールナット(クルミ)で統一

「家具をそろえるならウォールナットで」と心に決めて店舗を見て回っていたので、家具の素材は迷うことなく決定しました。家具に使う素材をそろえると、インテリアに統一感が生まれます。

結婚してから3回ほど夫の転勤で引越しをしており、毎回床や建具の色は異なる内装ですが、大きな家具が統一されていると案外違和感を覚えることはありませんでした。

●2:デザインからオーダーして理想の形にした

デザインからオーダーできる専門店だったため、事前に要望を伝え、デザイン画を確認してから製作。

クラシカルなデザインが好みだったので、家具の脚や装飾部分まで細かくオーダーして、大満足の仕上がりになりました。

●3:棚や引き出しの工夫で使いやすさを追求

カップボードや整理ダンスにも、さまざまな工夫をしています。

カップボードの棚は、一方は稼働棚、もう一方は重たい食器を出し入れしやすいようレールをつけてもらいました。

整理ダンスの引き出しも、最下段は重さのあるデニムを入れられるよう、深さのある引き出しにして、こちらもレールつきに。

さらに、先方の提案で採用してよかったと思うのが、着物を収納できるようにしたこと。

当時は着物を実家で保管していましたが、引き出しを「たとう紙が入るサイズ」「内部を桐素材」にしていたことで、実家から着物を引き取ったあとも着物用タンスを別で購入することなく収納できました。

オーダーする前に知っておきたい「注意点」も

とても魅力的なオーダー家具ですが、後悔しないためには事前にいくつかの注意点を押さえておく必要があります。

●注意点1:価格の高さ

多くの場合、オーダー家具は既製品よりも高価格となります。そのため、インテリアの趣味が変わりやすい人にはおすすめできません。

また、将来的に転居を予定している場合は一般的な住宅に置けるサイズ感か、長く使い続けられる素材かなど、価格以外の部分も含めて総合的に判断する必要があります。基準としては、価格を使用予定年数で割って、1年あたり、1か月当たりいくらになるか計算してみるのも目安のひとつです。

●注意点2:納期まで時間がかかる

在庫がある既製品にくらべて、受注生産は時間がかなりかかるので、引越しなど期限が決まっている場合は注意が必要です。

「職人さんが手づくり」などは魅力的に感じますが、納品までにかなりの日数を要することがあります。

●注意点3:サイズ、色味、素材感のイメージ違い

ネット注文の場合はとくに、イメージ違いに注意が必要です。

事前に色や素材の見本を取り寄せて、イメージと異なっていないか、床や壁の色とマッチするかを確認しましょう。

引き出しなどは入れるものに合わせてオーダーするのが基本ですが、箱などに実際に入れてサイズ感を確認するのがおすすめ。

扉があるタイプは、出し入れする部分の幅(有効開口寸法)にも注意が必要です。扉の内部の幅を収納したいもののサイズピッタリにしてしまうと、画像の矢印部分のように扉が邪魔をして出し入れできないことがあります。

扉が180度開くタイプであれば問題なく出し入れできますが、隣の扉の取っ手が邪魔になっていたり家具を壁につけて置いていたりすると180度開きません。扉があるタイプの家具は、扉の厚みも考慮したサイズでオーダーするのが失敗を防ぐポイントです。

計測の際は圧迫感も考慮して、床面積だけで判断せず、できれば段ボールなどで仮に組んでみると想定しやすいでしょう。

細部にまでこだわったオーダー家具は、デザインや機能面での満足感はもちろん、メンテナンスをしている時間ですら「オーダーしてよかった」と感じます。

婚礼家具としてオーダーしたので、金額は全部で100万円を超える高額でしたが、買って20年以上経っても使えていることを考えると、もとは十分取れているかなと思います。

近年はネットで手軽にオーダーできる家具もあるので、お気に入りを手に入れる選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。