公務員の友人が「役職が付いたらボーナスも増えた」と言っていました。昇進すると年収はどれくらい変わるものなのでしょうか?
公務員の昇進と給与の仕組み
公務員が昇進すると、原則として給与表上の「級」が上がります。級とは、仕事の難しさや責任の大きさに応じて設けられた給与の区分で、一般的には係員より係長、係長より課長補佐のほうが上の級に位置付けられます。
級が上がれば基本給も上がるため、毎月の給与が増えます。また、公務員のボーナスに当たる期末手当と勤勉手当も、基本給などを基礎として計算されます。そのため、昇進によって算定の基礎となる金額が増えると、ボーナスの支給額も増える仕組みです。
国家公務員の給与は、俸給と呼ばれる基本給と手当、ボーナスで構成されています。人事院によると、2025年度の給与改定を反映した国家公務員のボーナスは年間4.65月分です。実際の支給額は、役職や勤務成績、在職期間などによって変わります。
この仕組みを踏まえると、今回の友人のボーナスが増えたのは、昇進によって基本給の級が上がり、ボーナスの計算に使われる金額も増えたためと考えられます。
役職ごとに変わる年収の考え方
公務員が昇進したときに、年収がどの程度増えるかを一律に示すことはできません。昇進前後の級や号俸、地域手当、管理職手当などに違いがあるためです。号俸とは、同じ級のなかで基本給を細かく分けた段階を指します。
係員から主任、主任から係長といった昇進では、年収の増加が数万~数十万円程度に収まるケースも見られます。一方、課長補佐から課長など、管理職への昇進では増加額が大きくなる傾向です。
人事院は、国家公務員の本府省勤務者が課長補佐級から課長級の管理職に抜てきされた例について、年収が300万円程度増えると紹介しています。ただし、これは特定の条件に基づく一例であり、すべての公務員に当てはまる金額ではありません。
一方、地方公務員の場合は、自治体が定める給与条例によって金額が決まります。同じ係長や課長でも、都道府県、政令指定都市、市町村では給与水準が異なるため、役職名だけで年収を比較しないほうがよいでしょう。
管理職になった後の収入の見方
公務員が課長などの管理職に昇進すると、管理職手当が支給される場合があります。これは、責任の重い仕事を担うことに対する手当で、金額や対象となる役職は勤務先ごとに決められています。
一方で、管理職になると超過勤務手当、いわゆる残業代が原則として支給されなくなる場合があります。そのため、基本給と管理職手当が増えても、昇進前に残業が多かった人は、毎月の手取りが想像ほど増えないこともあります。
また、役職が上がれば、部下の管理や重要な判断を任される場面も増えるため、仕事量や責任が重くなることがあります。そのため、昇進後の働き方を考える際は、給与面だけでなく、勤務時間や業務内容の変化もあわせて確認することが大切です。
さらに、昇進によって年収が増えても、所得税や住民税、共済組合の掛金なども増えるため、額面の増加額がそのまま手取りになるわけではありません。そのため、家計への影響を確認する際は、給与明細の支給額だけでなく、控除後の手取り額まで比べることが大切です。
公務員の年収は給与表と勤務条件を確認しよう
公務員は昇進すると基本給の級が上がり、ボーナスや役職に応じた手当も増えるのが一般的です。ただし、年収の増加額は、役職や勤務先、地域、残業時間などによって大きく変わります。
具体的な金額を知りたい場合は、勤務先の給与表や給与条例、管理職手当の規定を確認するのが確実です。昇進前後の給与明細を比較すれば、基本給、ボーナス、手当、控除額がそれぞれどの程度変わったかも把握できます。
昇進は収入を増やす機会になりますが、担当する仕事や責任も変化します。額面年収だけで判断せず、手取りや勤務条件まで確認することで、昇進後の生活をより現実的に見通せるでしょう。
出典
人事院 国家公務員の給与制度の概要
人事院 給与制度の基本的な枠組み
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

