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5日は、避難生活が長引く熊本地震における「2次避難」についてお伝えします。

■“初受け入れ”「2次避難」とは

いま、被災地の避難所などに身を置くいわゆる「1次避難」を行っている人が多いと思いますが、これから必要となってくるのはホテルや旅館などへの「2次避難」です。

県や各自治体は、HPでホテルなどへの避難を呼びかけていて、希望者の申し込みも始まっています。

4日夜、八代市の旅館では、避難者の受け入れが始まりました。県が実施するホテルなどでの2次避難で、初めての受け入れです。

息子(60)
「母親は高齢で、急に違う(避難所の)環境になじめない。精神面も心配だったので、プライバシーも守られる環境で過ごした方が、心身ともに安心」

いま、旅館への2次避難を紹介しましたが、ホテルや旅館だけでなく、水分がすぐにとれて、トイレにすぐ行けて、プライバシーの確保ができるという生活環境が整った場所、例えば親戚の家なども選択肢になります。

■ためらう人も…専門家“一度落ちついた環境で体調整えて”

ただ、2次避難は行くのをためらう人もいます。

防災・災害復興に詳しい大阪公立大学の菅野拓准教授は、仕事・家・健康など様々な理由で、自宅を離れることができない場合もあると話していました。

例えば、違う自治体に移動することもあるので、地元で仕事をしている人、かかりつけ医がいる人、長く家を空けてしまうことになるので防犯上に不安がある人や、自宅の片付けを進めたい人と様々だということです。

実際に今回も、被災地で様々な意見がありました。

2次避難したい人(80代)
「もうあんな目にあいたくない。ガタガタって揺れて家が壊れた。ホテルに入れたら、安心していられるかな」

2次避難について検討しない人(80代)
「私はこの体育館(避難所)のすぐ近く。家と行き来ができて、必要なものが持ってこられますから」

今回の地震では、猛暑が続くなか断水も続いています。菅野准教授は、真夏だからこそ2次避難が必要だと話しています。

普段でも熱中症になるような暑さのなか、片付けなどをすると当然体調を崩しやすくなります。さらに在宅や避難所などの生活は、過酷になります。命の危険もあるので、一度落ちついた環境で体調を整え、今後の見通しを検討してほしいということです。

■能登半島地震では1万1000人以上が実施

過去の地震から得た2次避難についての教訓もあります。

2024年に発生した能登半島地震でも、2次避難が行われ石川県によりますと、旅館やホテルなどへの2次避難をした人は、累計で1万1817人でした。

そのときの結果を、県や内閣府などがまとめています。

よかった点としては、2次避難を大規模に実施したことで、避難所の混雑回避や、孤立集落の避難の促進などが図られ、多くの人が環境の整ったホテルや旅館で避難生活を送ることができたことが、まず挙げられました

また、食事提供のないホテルでは、お弁当などの食事の提供が行われるなど、避難者への支援も行われたということです。

■「今後の見通し持てない」との声も

一方で、課題も残りました。

ホテルなどの2次避難先で、避難者が孤立しがちになる事例があったといいます。申し込み後、どこのホテルなどに避難するかは自治体が決めるので、なるべく地域の住民一緒になるように努力はしていたそうですが、必ずしも皆一緒にといかないのが2次避難の現状です。

さらに、いつまで続くかわからない状況のなかで、被災者にとっても、場所を提供している宿泊事業者にとっても、今後の見通しが持てないという声もあったということです。

■専門家「生活再建にも結びつける」

菅野准教授によりますと、行政や支援者が「分散する避難者」をきちんと把握し、適切に情報や支援を届けることが重要だといいます。

個人に応じて適切な2次避難先の選択肢を提示するだけでなく、長い目で見て生活再建にも結びつけていくことが求められています。

必ずしも2次避難をした方がよいというわけではないです。適切な2次避難先は住まいや環境など個人によって変わりますが、なによりも命を守るための行動をとることが大切です。