【今週のカバーガール】初エッセイ集を発売!比嘉愛未「自分の大切な核の部分を詰め込みました」
感想が誕生日プレゼント
--6月10日、40歳の誕生日を目前に、初エッセイ集を発売されました。どんな思いで出版を決断されたのでしょうか。
「年代が変わる節目には、いつも何か新しい挑戦をしてきました。今回は俳優としての顔だけではなく、一人の人間としての自分をより知っていただけたら良いなという思い、それから、過去や現在の自分と向き合いながら、記憶や思いをエッセイという形で残したいと思って、作らせていただきました」
--執筆はいつごろから始められたのでしょうか。
「企画自体は1年ほど前から始まっていて、実際に執筆を始めたのは今年に入ってからです。自分の言葉なので、正解も不正解もないと思いつつ、それでも読んでくださる方が誰も傷つかないように、言葉の選び方や伝え方には一番気を配りました」
--書き進めるなかで、とくに印象に残ったことを教えてください。
「幼少期や、暗黒期と呼べる時代の自分と向き合えたことです。当時はもちろん、今も少しだけ残っていた心の傷が、文章として書き出したことで、少しずつ薄れていくような感覚がありました。長い年月を経た今だからこそ、正面から向き合うことができて、自分なりに浄化することができたんだと思います」
--エッセイを読まれた方からの感想は届きましたか。
「沖縄時代から私を知る大切な知人が、『私が知らないことも知れて良かった。あなたの転機に関われたことを誇らしく思うよ』と言ってくださいました。エッセイには、ファンも含めて、多くの方々に贈りたい言葉を綴りましたが、身近にいる大切な人たちの感想を聞くと、感慨深いものがあるなと感じます」
--それ自体がある種の″誕生日プレゼント″になったようですね。
「そうそう! 素敵な誕生日プレゼントになりました。発売前はソワソワが止まらなくて、緊張とは違う、これまで味わったことのない感情になっていたので、嬉しく思います」
--そのような感情になった理由は。
「エッセイには、私のワガママでこだわりを詰め込ませていただきました。プライベート感も満載で、だからこそ、『こんな、私のために作ったような本が受け入れられるのかな?』という思いが強くって……。もちろん、受け取り方は読んだ方の自由です。ですが、″素の状態の自分″を世間にお披露目するのは、実はとっても怖いことでもあるんだなって。
自分の大切な核の部分、偽りのない本心をギュッと詰め込んでいるので、読んでくださる方々がどういう解釈で受け取ってくれるかについては、もうお任せするしかないなという気持ちです。『こういうふうに読んでください』とか、そういったセールスアピールのような言葉でお薦めするのがちょっと難しいくらい、真っ直(す)ぐな一冊になっています」
本当の主役
--7月8日放送開始のドラマ『ファーストクライ 母子救命救急班』(日本テレビ系)では主演を務められます。座長として、どう撮影に臨んでいますか。
「座長の醍醐味を味わっています。良いチームなんですよ。共演者、スタッフの皆さんはとにかく調和を大事にしていて、コミュニケーションも密に取っています。連携について何も心配がないので、私はとにかく役を全(まっと)うするだけ。産婦人科医・光井明希の、出産にかける使命感をひしひしと感じながら、お芝居に燃えています」
--役を通じて新たな発見はありますか。
「やっぱり当たり前じゃないよね、生命の誕生って、とあらためて感じています。医療従事者の皆さん、いろんな人の手助けがあって、初めて産声(うぶごえ)を上げられる。皆さん、人に支えられて誕生しているんですよね。その第一線にいる役柄を演じると、命との向き合い方や、尊さみたいなものを強く感じます。主役をさせていただいていますが、本当の主役って私じゃないとも思っているんですよ」
--本当の主役とは。
「赤ちゃんです。いざ本番というときに、実際に赤ちゃんが現場に入るのですが、そのときに空気がサッと変わるんです。一気に浄化されるというか、邪念とか、余計なものがなくなる感覚。皆の心が慈愛の気持ちで満たされるのを感じます。
同時に、『この命のために私たちはやっているんだ』と、皆が奮起する。もうね、空気感が全然違うんですよ。40代になって初めて出演する作品が『ファーストクライ』で、『私はなんて幸運なんだ』と、日々噛(か)み締めております」
--″40代の比嘉愛未″はどんな俳優でありたいと思っていますか。
「これまでと変わらず、探求心を持って進化し続けられる俳優でいたいです。過去の自分が積み重ねてきた努力があったからこそ、今こうして大好きな仕事を続けられている。よく頑張ってきたな〜と、少しだけ自分を認めてあげられるようになりました。
俳優業以外では、もっと社会に貢献できることはないかと模索しています。これまでお芝居一筋でやってきましたが、今後は別の分野の知識も積極的に学び、自分にできることの幅を広げていきたいと思っています」
ヒガ マナミ 40歳
’86年、沖縄県生まれ。’03年にモデル活動を始め、’05年に俳優デビュー。
今年6月10日に初エッセイ集『またね。』(講談社)を刊行。
ドラマ『ファーストクライ 母子救命救急班』(日本テレビ系)では主演として産婦人科医役を務める
最近のマイベスト「QUEST」秘湯巡り
むかしから旅行が大好きなのですが、最近はとくに秘湯巡りにハマっています。「ここが良いよ」という情報を仕入れたら、どんな遠方でも、時間を見つけては足を運んでいます。温泉に浸かって自然の中でゆっくり過ごす時間は最高のリフレッシュになります。やっぱり心と身体を癒やす時間は大切だと感じています
『FRIDAY』2026年7月31日号より
取材・文:芳賀慧太郎
