兵庫県警生田署

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 事件発覚後1週間を経ても、その一室の周囲には例えようのない異様な臭いが立ち込めていた……。

【写真を見る】「50歳には見えない」 美人で有名だった望月容疑者 切断遺体が発見された現場も

 兵庫県神戸市内にあるマンションから切断遺体が見つかった事件は、世間に強い衝撃を与えた。

「この臭い、すごいでしょ。消えへんのですわ」

 と、現場マンションに住む男性が顔をしかめる。

「今年3月ごろには、マンションの管理会社に“ヘンな臭いがする”と伝えてたんです。3カ月してようやく管理会社が警察に連絡して部屋に入ったら、腐敗臭でした。冷凍庫は玄関を入ってすぐの場所に置かれていたし、築50年ほどの古いマンションやから、臭いが染み付いてしまいました」(同)

 遺体が見つかったのは6月20日。3日後の23日には、県警生田署捜査本部が無職の望月亜紀(50)を死体遺棄容疑で逮捕した。

兵庫県警生田署

 社会部デスクが語る。

「望月の逮捕前、司法解剖によって、遺体は彼女の夫だった西口豊さんと判明していました。死亡推定時期は2011年12月ごろ。死因は分かっていません」

 望月容疑者が現場の部屋を自身の名義で借りたのは2002年7月ごろで、

「7歳年上の西口さんと同居していました。彼女は警察の調べに“12年ごろに遺体を切断して冷凍した”と供述。夫を手にかけた後転居したものの賃貸契約は続け、テレビや布団などの家財も残したままでした」

 戸籍上は12年12月に離婚しており、隠蔽(いんぺい)工作はうまく続いていた。

夜の仕事

 社会部デスクが続ける。

「西口さんの死から事件発覚に至るまでの14年ほど、月7万円前後の家賃が振り込まれ続けていました。にもかかわらず昨年、電気代の支払いがストップして部屋の電気供給が止まった。冷凍庫の電源も切れ、冷凍されていた遺体が溶けたことで露見しました」

 電気代支払い停止は、意図的だったのか。

「あるいは、そうでないのか。この点が謎です。望月が金銭面で困窮していた様子がうかがえないからです。なぜなら、彼女が暮らしていたのは、新神戸駅や三宮の繁華街に近い、家賃が月20万円ほどの賃貸マンションでした。この物件に住みながら、遺棄現場の毎月の家賃約7万円を14年分都合するだけでも1200万円近くになります」(同)

 つまり、隠蔽工作維持のために彼女はそれだけの額を払えていたわけである。現時点でその“原資”は判然としないながらも、

「三宮で飲食店をやっていたようですよ。いわゆる夜の仕事。ニュースで50歳と知り、心底驚きました。美人の部類に入るし、だいぶ若く見えたのでね。ここでは、男の人と一緒に暮らしていたと思います」(同)

 望月容疑者が住んでいたマンションの住民がそう明かせば、捜査本部の関係者は次のように話す。

「取調べに、一連の行為を“一人でやった”と供述しています。ですが本当に男性を一人で切断できるものか、疑いが残ります。現場マンションでは複数箇所で血痕が検出され、風呂場で遺体を損壊した可能性も視野に入れている」

腹部で二つに切断して……

 ある大学の法医学教室の教授に聞くと、

「殺害後に死体損壊を伴う“バラバラ殺人事件”において、女性の単独犯で男性が被害者となった事例は珍しい。その事例のうち大半が、男性被害者と面識がある女性でした。なお、端的に言えば、成人女性が一人で成人男性を切断するのは不可能ではありません」

 問題はその後、だという。

「犯人は、腹部で二つに切断して上半身と下半身をそれぞれ袋に詰めて凍らせる以外、処理するすべがなかったのでしょう。心理面でも、それ以上細かく切断するのは難しかったと思われます。本件は、DNA鑑定、病理検査といった科学的証拠も大事ですが、殺害の動機や電気が止まった経緯も大きなポイントだと考えます」(同)

 謎多き猟奇的事件の全容解明への道は、まだ緒に就いたばかりである。

「週刊新潮」2026年7月9日号 掲載