ヤマハ発動機は本社(静岡県磐田市)に併設された企業ミュージアム「コミュニケーションプラザ」をリニューアルし、6月27日にオープンした。これに先立ち、前日にはメディア向け内覧会を開催。刷新された展示エリアや特別企画の内容が公開された。

ヤマハ発動機企業ミュージアム「コミュニケーションプラザ」(静岡県磐田市)

磐田のホットスポットに



コミュニケーションプラザは、1998年7月1日の開館以来、ヤマハ発動機グループの企業理念やビジョン、歴史を伝える場として賑わってきた。コロナ禍で一時は客足が遠のいたものの、来場者数は右肩上がりで推移。アンケートによると、来場者の6割が静岡県外からで、その8割を30代以上、6割以上を男性が占めている。

ヤマハ発動機 ブランド推進部 岩崎慎さん

メディア内覧会に登壇した同社ブランド推進部の岩崎慎さんは、今回のリニューアルの狙いについて、「企業理解をさらに深めていただくこと、若い方や女性の方にも楽しんでいただくこと、そして再来場を促すことにあります」と解説し、「この場所を磐田のホットスポットの一つとして、常に話題を作っていきたいと考えています」と明かした。

1階展示エリアを全面リニューアル

1階展示エリア

今回のリニューアルの目玉は、1階展示エリアの全面的な見直しだ。以前は製品の展示や技術の紹介エリアが広がっていたが、新たに壁を設置することでわかりやすく順路を整理した。



エントランスを抜けた正面には、ヤマハ発動機の“今と昔”が交差するエリアを設置。最新のスーパースポーツモデル「YZF-R1」と、1959年発売の初代スポーツモデル「YDS-1」を並べて展示するなど、ヤマハ発動機の歴史を視覚的に体感できる。





順路を進むと、製品ができるまでの背景を伝える「デザイン・開発・製造工程」の展示が現れる。オートバイの製造工程やデザインのこだわりをわかりやすく解説したパネルや展示が並び、その奥には、現行製品のラインナップが年代・カテゴリーごとに整理されている。





さらに、購入後の「ヤマハのある生活」を提案するエリアも充実。アフターパーツの展示や、ライディングスクール「ヤマハライディングアカデミー(YRA)」の紹介など、ユーザーとの繋がりを明示する内容となっている。



来場者の体験を重視した「タッチ&トライエリア」も進化した。なかでも注目すべきはMotoGPマシンの展示で、実戦さながらのバンク角で固定されたマシンに跨ることができ、プロライダーのようなライディングスタイルで写真を撮ることもできる。



「YAMAHAバイクのあるスタイル」をクリエイターがイラストで表現

現在、コミュニケーションプラザでは、リニューアル後の最初の企画展として「イラストレーターが描くYAMAHAバイクのあるスタイル展」が特別展示スペースで開催されている。



内覧会には、出展イラストレーターの浦野周平さんと加藤ノブキさんが登壇し、作品に込めた想いを語った。

イラストレーター・浦野周平さん

ヤマハのバイク7台をモデルにキャラクターを描き下ろした浦野周平さんは、「ヤマハのバイクはデザインがかっこよく、ノスタルジックでありながら近未来を感じさせる部分がある」と話し、「1台1台の個性を作品に落とし込み『こんな人が乗っていたら面白いんじゃないか』という想像を織り交ぜました。バイクというコアな趣味を、親しみやすいポップな作品を通して感じてほしい」と語った。

クリエイターの加藤ノブキさん

一方、長年バイクアートを手掛けてきた加藤ノブキさんは、「ヤマハといえば『デザインのヤマハ』というイメージが強い。美しくスタイリッシュなバイクは女性にも合います」と評価する。

そのうえで、「今回は日常を彩る女性とバイクをフォーカスした新作も用意しました。何も考えずに見て、かっこいい、可愛い、凄いといったバイクの多面的な魅力を感じてもらえたら嬉しいです。特に子どもたちに、バイクの絵を通じて『バイクに乗ってみたい』と思ってもらいたいですね」と想いを語った。

この企画展を記念し、浦野周平さん、加藤ノブキさんのイラストをあしらった限定Tシャツもプラザショップで販売されている。



リニューアルオープン当日の6月27日、28日には、来館特典のステッカー配布やキッチンカーの出店、小中学生を対象とした「面白いエンジンラボ」、若手社員による「ギャラリートーク」など、家族で楽しめるイベントが実施された。

さらに、夏休みに向けて7月25日からは、館内を巡る謎解きゲーム「謎と巡る記憶の旅

ヤマハ×謎解きミステリー」が開催される。静岡出身のクリエイター・海野名津紀さんがディレクションしたこのゲームは、クリアまで60分から90分を要する本格的な内容で、館内の展示を細部まで観察しながら楽しめるよう工夫が施されているという。

間もなく迎える夏休み。来館者の約55パーセントが家族連れだとのデータもある。静岡県西部を訪れる、または通りかかる予定があれば、アップデートを遂げたコミュニケーションプラザにぜひ立ち寄ってみてはどうか。