3年の熟成期間を経て 徳島初「ジャパニーズウイスキー」誕生【徳島】
6月、徳島初のジャパニーズウイスキーが誕生しました。
3年の熟成期間を経て、一体どんな味が生まれたのか、カメラが迫りました。
(日新酒類 製造課・原田祥宏さん)
「いい香りですね」
6月22日、県内初となるジャパニーズウイスキーが完成しました。
ジャパニーズウイスキーとは、麦芽、穀類、国内で採取した水を原材料に、国内の蒸留所で製造し、700リットル以下の木製の樽に詰め、3年以上熟成した製品のことで、日本洋酒酒造組合によって定義が定められています。
そんなジャパニーズウイスキーを製造したのは、上板町に本社を構える日新酒類です。
日新酒類は3年前から、阿波市にある自社蒸留所でウイスキーの製造に取り組んできました。
そして22日、3年の時を経て、最初に樽詰めを行ったウイスキーの原酒が熟成を迎え、樽を開栓しました。
(日新酒類 製造課・原田祥宏さん)
「開きました」
「3年経って結構色づきも良くて、香りもバニラとか樽由来の甘いバニラとかレーズンとか、そういった香りがしっかりついてます」
3年の熟成を経て誕生したジャパニーズウイスキー、一体どう作られているのか、製造を担当している原田さんに案内してもらいました。
(日新酒類 製造課・原田祥宏さん)
「まず粉砕機で(大麦の麦芽を)粉々にして、このあとの工程でお湯と混ぜて仕込みがスタートします」
「粉砕した麦芽なんですけど、これをマッシュタンと呼ばれるタンクでお湯と混ぜます」
「ドロドロのお粥の様な状態にしてろ過をして、黄色い透明な甘い麦汁が取れます。糖化という工程になります」
「ここで出てくる麦汁はまだ熱々なので、24・25度くらいまで冷やしてから発酵タンクに送ります」
(日新酒類 製造課・原田祥宏さん)
「そこに酵母を添加して、酵母がエサを食べてアルコールを出すというメカニズムです」
「大体ここの発酵タンクに麦汁を入れてから、時間で言うと60時間~90時間くらい、もろみ期間を経て、度数が7%を超えるくらいのアルコールが出ます」
(日新酒類 製造課・原田祥宏さん)
「蒸溜器2基あるんですが、ウイスキーの蒸溜は基本的には2回行います、まず1回目の蒸溜は初溜管という、ポットスチルで蒸溜します」
「7%あったアルコール度数が1度蒸溜することによって、20%超えるくらいのものが出来上がります」
「もう1回こちらの再溜管で蒸溜して、初めて透明なウイスキーの原酒が出来上がります。この時点ではまだ透明なアルコール度数が63%超えるくらい」
「これを数回の仕込み分溜まったら、いよいよまとめて樽詰めして、隣の貯蔵庫でしばらく眠るという工程になっています」
ウイスキーを入れた樽にも、美味しさの秘訣があります。
(日新酒類 製造課・原田祥宏さん)
「いろんな特徴を出すために、うちの場合はバーボン樽とかシェリー樽ですね」
「あと、元々ワインが入っていたワイン樽、面白いのは桜の木を使った樽とかいろんな樽を試して、最終的にブレンドに使えるかなと、いろんな樽にチャレンジしている」
(日新酒類 製造課・原田祥宏さん)
「もう一つ大事なのが貯蔵庫。阿波市土成町の気候をそのまま樽に反映させたいので、貯蔵庫は空調機器一切入れてないです」
「ここの土成町は、日中の寒暖差がそこそこあるので、そうすると日中でも樽がしっかり呼吸してくれるので、熟成も早めに進む」
「その分、揮発する分もあるので、エンジェルシェアが結構高めに出ます。天使の分け前ってやつが…」
こうして作られたウイスキーが、遂に樽から姿を現します。
(日新酒類 製造課・原田祥宏さん)
「3年、長いようで一瞬ですね。もうどうなるんだろうどうなるんだろうって、ずっとドキドキしながらの3年だったので」
「やっと出てきて、色、味、香り見れてホッとしてますが、ただスタートな気がします」
このあと、歩留まりなどのデータを取り、3つの樽から取れたウイスキーを一つにブレンドしました。
こうして完成したウイスキーの原酒。
ここから水を加えて、アルコール度数を下げ7月発売される予定ですが、一体どんな味に仕上がったのでしょうか。
(チーフブレンダー・丸山恵さん)
「バーボン樽の特徴のバニラっぽい甘い香りとか、樽由来のオークの香りが前に出てきている」
「後味に、レーズン噛んだ時のような味わいだったり、思ったよりは雑味もないので」
「飲みやすいタイプのウイスキーに仕上がったのかなと思います」
(日新酒類 製造課・原田祥宏さん)
「3年経って、ウイスキーにちゃんとなっているので、僕の中では100点ではあるんですけど」
「熟成を重ねてもっと丸い味、深みのある味に、これからどんどんなっていけばいいなと思うので」
「今をベースの60点として、ここからさらに点数増えていけばいいかなと」
ウイスキーは「阿波乃」という名前で販売される予定で、8月に行われる阿波踊りを機に県内外にアピールしたいと、日新酒類の前田康人社長は話します。
(日新酒類・前田康人 社長)
「3年って長いようですけど、ウイスキーの業界で言えばスタートラインに立ったところになるので」
「これから5年、10年いろんな樽も準備しているので、よりバリエーションも増やして、徳島らしいウイスキーを楽しんでもらえるように頑張っていきたい」
ジャパニーズウイスキー「阿波乃」は、約700本が7月7日に飲食店や酒販店向けに発売され、徐々に本数を増やしていく予定です。
