教え子たちと同じ年代の女児と「パパ活」を繰り返した元中学教諭、“若い子”ばかりに執着した理由
元中学教師に言い渡された判決
金銭を渡して性的な行為に及ぶ、いわゆる「パパ活」を未成年者に繰り返していた36歳の元中学校教諭は、裁判長からの「なぜ、低年齢ばかり狙ったのか」という質問に一瞬、黙り込んだ。そして「何だろう」と口ごもった後、声を絞り出すようにして、こう答えたのだった。
「背徳感みたいなものを、感じちゃったのかなって」
SNSで知り合った4人の女児に対する不同意性交等などの罪に問われていた元新潟市立中学校教諭・中村岳被告(36)。判決を受けたその後、6月12日までに控訴していたことが明らかになった。
’26年5月27日に開かれたさいたま地裁での判決公判で、江見健一裁判長は「被害者らの判断能力の未熟さにつけ込んだものであり、性的自由の侵害は無視できない」などとして「懲役5年」(求刑7年)を言い渡していた。
これまでの公判では、自身の生徒と同年代の女児に対して、金銭をちらつかせながら性的な行為を要求した卑劣な犯行が明らかになっている。
中村被告は、女子中高生のアカウントに〈お金に困っていませんか〉〈会ってくれるなら、援助しますよ〉などとメッセージを送っていた。返信があると都内近郊のホテルで性的な行為に及び、その様子をスマホで撮影・保存した。その際、学校の制服や体操服を持参することを要求していたという。
問われた罪は、当時13〜15歳だったA〜Cさんに対する不同意性交等と性的姿態等撮影、児童ポルノ禁止法違反。Aさんに対しては何度も〈会いたいです。4.5(4万5000円)でいいですかね〉などとメッセージを送ったことから、16歳未満の者に対する面会要求の罪にも問われている。さらにDさんに対して金銭を支払ってわいせつな映像を送らせたとして、16歳未満の者に対する映像送信要求と不同意わいせつ、性的姿態等撮影、児童ポルノ禁止法違反の4つの罪に問われてもいた。
新潟市教育委員会は4月21日、中村被告を懲戒免職処分にしている。
女児ばかりを狙った「理由」
中村被告がパパ活に手を染めるようになったきっかけは何だったのだろうか。公判では、その「きっかけ」について、「人間関係のストレスからスマホを触る機会が増え、SNS上でパパ活目的と思われる性的な投稿を偶然見つけたことだった」と述べ、そのときの心情を、こう振り返っていた。
「性的な投稿を見つけて、こんな世界があったんだって驚きました。そこで試しに、相手の年齢もわからないまま〈いくらいくら援助しますよ〉と興味本位でダイレクトメッセージを送ったら、返信があったんです。こちらが条件を出せば、相手が反応してくれるってことに気づいてしまったというのがきっかけだったと思います」
しかし、いろんな年代の女性がパパ活目的の投稿をするなか、なぜ女児にばかりメッセージを送ったのか。中村被告はこのように説明していた。
「『金欠』というワードで検索すると、大人よりも若い子が多く表示されました。そして、どうせならなるべく若い子、風俗店では会えないような若い子に会いたいと思いました。本当に会えるのか、どれくらい若い子に会えるのかという興味本位の部分もあったと思います」
「興味本位」などと話した中村被告。しかし江見裁判長が「なんで、13〜15歳の年齢がいいの?」と質問をすると、途端に口ごもり、「何か、こう……」とつぶやいた後、黙り込んでしまった。しばらくして「普段、(教員として)相手している子たちと同じ年代の子たちと会ったことで……」と口を開き、冒頭のように「背徳感を感じた」と口にしたのだった。
さらに江見裁判長が、「好みっていうか、嗜好というか、そういう年齢層がいいと思っているってことでいいのかな」と質問を重ねると、「そうです」と小さな声で答えたのだった。
控訴していた
中村被告は女児に対してパパ活を繰り返す一方で、勤務先の中学校ではSNSの使用について指導する立場にあり、夏休みなどの長期休暇の前になると、「SNSで知らない人とつながったり、安易に会ってはいけない」と注意していたのだという。
そして検察官が「もしあなたの生徒が『パパ活』をしようとしてたら、どうしますか」と質問すると、「全力で止めます。関係機関にも連絡して、1人で抱え込まないようみんなで共有して、理解しようとします」と答えていた。
中村被告は、A〜Cさんとは首都圏で会い、Dさんとは通信アプリでやり取りしていた。勤務先の中学校にバレないようにするためだと思われるが、同時に、自身の生徒の前では教師という職を全うしようと考えていたのかもしれない。しかし、中学生という多感な時期に教えを受けた教師が、自分たちと同じ年代の女児への性加害で逮捕されたことは、これまで関わった生徒全員への裏切り行為になるのではないか。
最終陳述では「被害者の方、学校関係者や多くの人にご迷惑をおかけしたことを深くおわび申し上げます」と謝罪の言葉を口にした中村被告。前述のとおり、6月12日までに控訴していたことがわかった。
論告弁論では、弁護人が「4人の被害女児のうち2人とは示談が成立している」「自身の性的な傾向などを見直すためカウンセリングを受けている」「今後、両親の監督が期待できる」などと述べ、「酌量減刑のうえ、執行猶予判決を賜りたく考えております」と主張していた。「懲役5年」という実刑判決には不服があったようだ。
今後、事件は高裁で改めて審理されることとなる。
取材・文:中平良
