【A4studio】トランプ大統領が「くら寿司USA」株を大量購入…アメリカで過去最大の「寿司ブーム」が起きているワケ
トランプ大統領が「くら寿司」株を大量購入
5月14日、米政府倫理局(OGE)の発表で、アメリカのトランプ大統領が、回転寿司チェーン「くら寿司」の米国子会社「くら寿司USA(Kura Sushi USA)」の株を大量に購入していたことが明らかになった。
その購入額は約100万ドル〜500万ドル、日本円でおよそ1.6億円〜8億円にもおよぶとみられ、くら寿司のアメリカ展開に注目が集まっている。ちなみにくら寿司は2019年に日系の外食企業で初めてアメリカのナスダック市場に上場している。
この話題について日本からも多くの反応があり、特にネットでは以下のような疑問のコメントが相次いだ。
《マジか、くら寿司の株買うって意外だな。》
《他の日本企業の株と間違えて購入したのでは……?》
日本国内の回転寿司チェーンにおいては、売上高1位の「スシロー」に続いて、2位となっているくら寿司だが、近年はアメリカでの店舗展開に力を入れており、順調に店舗数を伸ばしている。現在アメリカ国内の店舗数は約90店舗となり、今年の11月には100店舗を超える見込みだ。
現地ではロードサイドの店舗が数時間待ちになることも珍しくないという情報もみられるが、なぜくら寿司はアメリカで人気を集めているのか。ニューヨークを拠点に活動するフリージャーナリストの谷中太郎氏に解説していただいた。(以下「」内は、谷中氏のコメント)
アメリカはいま過去最大の“寿司ブーム”に
くら寿司は2009年にカリフォルニア州に1号店をオープンさせ、アメリカに初上陸。当時寿司はヘルシーフードとしてアメリカ国民に幅広く受け入れられるようになっていった、まさに“寿司ブーム”の最中。
しかし当初は、くら寿司が売りにしていた「回転寿司」という形式が、現地人からは不評だったと谷中氏は語る。
「当時のアメリカの寿司店としては、一貫ずつ提供されるいわゆる高級寿司のような握り寿司が主流だったため、日本では当たり前の回転寿司でも、現地人からは斬新すぎて“未知のもの”といったイメージが強く、あまり受けなかったんです。当時は寿司ブームといえども、まだ一般層にまでよく広まっていなかったこともあり、回転寿司という形が受け入れられるようになったのはここ最近の流れといえるでしょう」
谷中氏は2020年のコロナ禍以降に、一層寿司ブームが進んだとみている。
「コロナ禍をきっかけにテイクアウト寿司がかなり普及し、いまでは多くのスーパーにおいて、いちばん目立つ売り場にパック寿司が置かれていることも珍しくありません。いまアメリカのスーパー業界ではパック寿司が集客の要となるほど、飛ぶように売れているのです。なかには年間4000万個以上のパック寿司を販売するスーパーもあるほど。
こうした背景には、テイクアウトの定番メニューであるピザやハンバーガー、タコスといった食事に飽きた人が多くなったこと、さらにコロナ禍で外出を控え、運動する機会が少なくなったことで、ヘルシー志向の食事需要が伸びたことなどが考えられます」
日本への旅行者が増え、回転寿司が浸透
そしてコロナ禍が明けると、アメリカでは“日本旅行”がトレンドに。アメリカンエキスプレスが発表した2026年の旅行トレンドに関するデータによると、Z世代とミレニアル世代の日本旅行への予約は、2019年以降1300%も急増したという報告がある。TikTokといったSNSではZ世代を中心に、日本旅行の様子を食文化とともにレポートする動画も増えている。
「例えば最近だと日本のコンビニで販売している“たまごサンド”がSNSを中心に世界中で話題となり、アメリカ現地のセブン-イレブンでも日本式のたまごサンドが販売されるようになったことは、日本食が広まっていることの一例として挙げられます。こうしていま日本現地の“ローカルな食”がSNSを通じて世界中の人たちに認知されてきており、日本ならではの回転寿司に関しても日本を旅行した人々によって認知が広まり、人気が高くなってきているのです」
アメリカのくら寿司の店舗は、コロナ禍明けの2023年ごろから急激に増加しており、2023年4月末には46店舗だったが、2026年現在では約90店舗。ここ3年で一気に40店舗以上新規出店し、ほぼ倍増しているのだ。
アメリカのZ世代やミレニアル世代といった若い世代を中心に再び寿司人気が高まってきていることは、くら寿司にとって確実に“追い風”となっているといえるだろう。
