創業220年目の決断 鳴門の老舗呉服店が「警備業」に参入【徳島】
創業220年と、県内で最も長い歴史を誇る呉服店が鳴門市にあります。
年々、着物を手にする人が減っている中、6月からある意外な取り組みを始めました。
一体なぜ呉服店が?その意外な取り組みと理由を取材しました。
ジャパニーズ・クール・ビューティ「キモノ」。
日本人なら誰でも、袖を通すだけで自然と背筋が伸び、所作までが美しくなる、私たちが世界に誇る伝統文化です。
(記者)
「伝統を守りながら、誰もが気負わず着物に慣れ親しんでもらえるよう」
「その魅力を発信し続けているのが、鳴門市にあるいまぎ呉服店です」
1806年に創業した、いまぎ呉服店。
2026年で、創業220年を迎える県内で最も古い呉服店です。
(いまぎ呉服店・今津光雄 代表取締役)
「時代と共に、やはり厳しい部分はある」
(いまぎ呉服店・今津博光 取締役)
「今まで220年続いてきた歴史・文化・伝統を、今後も守っていかないといけない」
そう語るのは、9代目社長の今津光雄さん72歳と、次期社長の博光さん36歳。
親子、二人三脚で店を切り盛りしています。
博光さんの妻で、着付け講師の里恵さんは、着物の着付け担当。
家でもお店でも、2人を支えています。
(記者)
「着付けはどれくらい時間がかかる?」
(いまぎ呉服店・今津里恵 着付講師)
「15分くらいを目安に着付けしている、うちの店では2人体制で着付けして」
「お客さんにご負担がなく、早く楽にを目指している」
とはいえ、時代は令和。
日常的に、着物を着る人はほとんどいなくなりました。
企業として未来を見据えた時、このままでは先細りです。
(いまぎ呉服店・今津光雄 代表取締役)
「ここ10年くらい前から、何か良い違う分野ないかなと、2人で勉強していた」
会社として新たな分野に挑戦すること。
それが、親子2人が出した答えでした。
(いまぎ呉服店・今津博光 取締役)
「着物業っていうのも、地域の人たちの大切な日であったり、大切な物っていうのを守る仕事」
「警備業っていうのもそれと同様で、地域の人たち、工場の人、現場の人に喜んでもらうであったり」
「安心安全に仕事に取り組んでもらうということで、反対のような仕事だが、似通った部分があるのかなと」
2人の心にあったのは、「守る」というキーワードでした。
伝統を守る、のれんを守る、お客さんの信用を守る、そして「守る」といえば「警備」。
現在、2名の元警察官を講師に招き、警備業のイロハを研修中です。
(IMG警備保障・田中忠雄 顧問)
「警察を退職してから12年余り、(警備)業界で経験した12年の経験は活かされている」
「より、具体的な説明をしたりするほうがわかりやすいと思う」
(IMG警備保障・田中忠雄 顧問)
「前方の安全を確認したうえで、運転手に対して白旗で進んでください」
「協力してくれてありがとうございます。自分の意思を伝えたら、なお良いです」
しかし、それにしても呉服店が警備業。
もう少し、近い分野はなかったのでしょうか。
研修を受ける胸中は。
(研修生)
「業種は違うが、現場経験がある方らなんで信頼はしている。頑張って取り組んでいこうと思う」
研修はこの日が最終日です。
工事現場やイベント会場での交通誘導など、本格的な警備の仕事を始めるにあたり、スタッフに制服が手渡されました。
(IMG警備保障・田中忠雄 顧問)
「制服を貸与しますので、明日から現場で頑張ってください」
背筋が伸びます。
着物を着た時みたいに。
(記者)
「着てみてどう?」
(研修生)
「制服の重みや責任を感じる」
「普段見ているだけだったガードマンが、(研修を経て)いろいろ考えないといけないと思った」
(記者)
「あしたから現場に出るが?」
(研修生)
「やってみないと、わからないところもあるが頑張ります」
それにしてもお2人、攻めた決断をしたものです。
攻撃は最大の防御なり、これからも守って守って守り抜く!
(いまぎ呉服店・今津博光 取締役)
「おかげさまで、いまぎ呉服店という名前はよくご存知なのかなと」
「警備業に参入するということで、最初は不安な部分があるかもしれないが」
「ネームバリューの部分で、安心感をもってもらえるかなと」
(いまぎ呉服店・今津光雄 代表取締役)
「続けていくのが一番なので、息子と一緒に頑張っていきたい」
この時間は、意外な新規事業に参入した鳴門市の呉服店の取り組みをご紹介しました。
