“ナフサショック”で家が建たない!? 資材不足や受注停止で住宅メーカーは悲鳴 政府「供給に不安はない」 目詰まりはどこで?
中東情勢の緊迫化が続く中で起きている“ナフサショック”。住宅建設も止まる恐れがあるということで、改めて石油に依存する社会の大変さが際立ってきています。
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名古屋市に本社を置く住宅メーカー「クラシスホーム」。中東情勢の悪化によりビニールやプラスチックなど、ありとあらゆる石油系製品の原料となる「ナフサ」が足りなくなっている中、その影響は住宅にも及んでいます。
(クラシスホーム 高木正次社長)
「樹脂系のもので、ビニールクロスと言われるものや床材(クッションフロアなど)も樹脂。まだ入荷できないとまでは言われていないが、4月中旬ごろに各メーカーから2~3割値上げすると連絡があり、7月中旬ごろから上がってくるのかなと」
インテリア商品を扱う大手商社「サンゲツ」は、原材料の高騰や製造・物流コストの上昇を受け、7月受注分から壁紙や床材を18~30%ほど値上げすると発表。
「なんともならない状態」ユニットバスが受注停止に…
さらに深刻なのが「お風呂」です。
(高木社長)
「ユニットバスは、いろいろなものに樹脂製のものが使われている」
Q.今は実際に入荷してこない?
「以前発注した物が入ってきているだけ。現場は止まっていないように見えるが、今後発注が受けられないということで、予定していた工程がどんどん遅れていく」
実際に、取引先のメーカーから届いた書類には「納期回答にはお時間を要する可能性がございます」との記載が…
(高木社長)
Q.注文してもすぐには入荷されない?
「4月中旬にこういったお知らせがどんどん届いていて、今はそれより悪化して、発注すら受けないというメーカーもあり、なんともならない状態」
大手住宅設備メーカー「TOTO」は、4月にユニットバスの新規受注を停止する事態に。現在は段階的に再開していますが、高木社長によると、ほとんどのメーカーが入荷時期を明確には示さないといいます。
「5月末くらいから工期延長や納期遅れのおそれ」
(高木社長)
Q.住宅の工期延長や納期遅れの可能性は?
「今のところないが、メーカーの話を受けて一軒一軒の工程を考えると、5月末くらいから影響が出るのではないか」
家を建てる予定の人も相談に来ていました。
(契約済みの人)
「心配だったので打ち合わせで確認させてもらった。ちょっと気がかりではある」
「トイレや浴槽の希望しているメーカーが受注停止していて、希望した物がを入れられるのかがわからない。全く(中東情勢の)影響がないとはいかないかもだけど、なんとか家が建ってくれるといいな」
フローリング作る接着剤が品薄に 5月から20%以上の値上げ
建築中の物件にも、中東情勢の影響が直撃しています。
(高木社長)
Q.家としては何割くらいできている?
「3割くらい。中東問題で困っているのは、外壁の基礎はあるがコーキングという隙間を埋めるものが入ってこない。あとは床合板。木は大丈夫だが接着剤が品薄になってきている」
フローリングの中でも、薄い板を貼り合わせる合板は安くて耐久性に優れていますが、製造に欠かせない接着剤が不足し5月から20%以上の値上げ通知があったといいます。
「キッチン・洗面・トイレ」水回りに欠かせないパイプも品薄に
更にこんなものも…
(高木社長)
「手洗いの排水管・給水管などが品薄になってきて、ここが終わらないと大工さんも壁を貼れない」
業者を尋ねると…
(ダンケ設備 篠田真礼さん)
Q.いろんなパイプがあるが、どんな場面で使用する?
「キッチン・洗面・トイレなどの水を流すパイプ」
Q.ここにあるもので何軒分?
「3軒分ぐらい」
Q.在庫はここ以外にもある?
「ここにあるのが全て」
Q.なくなりませんか?
「すぐなくなっちゃいますね。1週間で100本以上は使うので」
入荷の見通しが立たない製品も…家が建たなくなる?
太いものに細いもの、曲がっていたりT字型だったり様々ですが、全て同じナフサから作られています。
(篠田さん)
Q.いつ頃から入手が難しく?
「4月上旬から納期が長期化したり、供給が追いついていなかったり」
Q.注文しても入荷してこない?」
「今だと3~4割の回答」
パイプの種類によっては、5月いっぱい入荷しないと言われ、今後の見通しが立っていないものも。このままだと配管工事が行えず、家が建たなくなる恐れも。
(篠田さん)
「限られた入荷した材料の中で、できるだけ工事を止めることなく、打ち合わせしたりして工夫はしていこうかなと」
「供給に不安はない」と強調する政府 現場とのズレは
住宅に関わるあらゆる資材に納入停止や納期の遅れが出ている中、深刻なナフサショックについて政府は…
(高市早苗総理 5月12日)
「製造事業者は前年実績での供給が可能であることが確認できています。その先の流通過程における目詰まりの原因を特定し、順次その解消を進めています」
目詰まりが起きているだけで、あくまで供給に不安はないと強調しますが、業者の不安は尽きません。
(高木社長)
「ウッドショックの時は外材を国産材に変えたり、数は少ないけど入ってはくる状態で何とかなったが、値段も上がるが入ってこなくなっちゃうと工事どころではない。今すぐ入ってきたとしても、一般の住宅現場に出回るようになるまでしばらく時間がかかるので、とにかく一刻も早く改善してほしい」
中東情勢が元通りになる見通しが立たない中、政府がすべきは「目詰まりはどこで起きていて、どうすれば解消されるのか」その正確な把握と対処です。
CBCテレビ「newsX」2026年5月14日放送より
