「私たちも人間なんだから」坂本花織を守った行動の真意 米フィギュア女子グレンが漏らした“本音”「とても居心地が悪かったことがあった」

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五輪で坂本を守る振る舞いを見せたグレン。彼女が明かした本音とは――(C)Getty Images

 ありとあらゆる競技で熱戦が繰り広げられた今冬のミラノ・コルティナ五輪。約1か月に及んだ一大イベントにあって、小さくない反響を呼んだのは、国境を越えたスポーツマンシップだった。

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 世界中で話題となったのは、2月19日に行われた女子シングルのフリーでの一幕だ。競技終了後、トップと1.89差で銀メダルとなり、リンク袖で悔し涙を流す坂本花織(日本)に対して、隣に座ったアンバー・グレン(米国)がサポート。優しく背中をさすりながら、励ますように何やら言葉をかけていた。

 13歳のジュニア時代から切磋琢磨してきた二人のドラマチックな光景を収めようとカメラマンが近づき、映像を収めようとした刹那だった。咄嗟に視線に気づいたグレンが、クルーを制止。「今は撮るのをやめてあげて」と言わんばかりに手をあげ、撮影を中止させたのである。

 一連の光景がSNSで拡散されると、グレンに対して世界中で称賛の声が噴出。国際メディアでも「落ち込んでいる“仲間”のために立ち上がった」(米紙『New York Post』)と、大々的に報じられた。

 当時、グレンは行動の理由について自身のTikTokで「あれが彼ら(カメラマンたち)の仕事なのはわかってる。でも、明らかに今はそっとしておいてって時でさえ、ズカズカと踏み込んでくる。それって本当にどうかと思う」と吐露。選手に対するメディア側の配慮の少なさを語っていた。

 そんな彼女が改めて坂本を「守った」とされた行動について振り返った。現地時間3月25日にチェコ・プラハで行われた世界選手権の女子ショートプログラム後の会見に出席したグレンは、米スポーツ専門局『NBC Sports』などに対して「そのことについて皆さんから称賛されるのはありがたいです。でも、結局のところ、それは人としての良識の問題に過ぎないと思ってます」と告白。そして、アスリートではなく、人としての“本音”を語った。

「私が泣いている時にも、大勢の人たちがすぐ目の前まで迫ってきて、とても居心地が悪かったことがあったんです。その時に彼らはあまりにも近づきすぎだと感じました。もちろん、テレビやニュースとして関心があって、求められているのは分かるんです。ですけど、私たちも人間なんだからって思います」

 アスリートも人間――。グレンの声が幅広い理解へと繋がることを願いたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]