「人気が爆発する可能性がある」 ピンタレスト 、エルフビューティーとの新提携でAI診断コンテンツ

記事のポイント
ピンタレストは月間5.7億人が利用し、購買や発見の場として重要性を増している。
エルフビューティーはAIを活用したパーソナルカラー診断でピンタレストと初提携した。
ピンタレストはブランドやクリエイターとの提携を強化し、広告・売上ともに拡大している。
ピンタレストは月間5.7億人が利用し、購買や発見の場として重要性を増している。
エルフビューティーはAIを活用したパーソナルカラー診断でピンタレストと初提携した。
ピンタレストはブランドやクリエイターとの提携を強化し、広告・売上ともに拡大している。
ピンタレスト(Pinterest)はブランドにとってますます重要性を増すマーケティングチャネルになりつつある。同社によると、このソーシャルメディアプラットフォームには現在約5億7000万人の月間アクティブユーザーがおり、毎週約15億のピンを保存しているという。
シーズン別パーソナルカラー診断は決して新しいものではないが、視覚に訴えかけるような韓国発のアプローチがトレンドとなったことにより、ここ数年で再び注目を集めている。このサービスの動画はTikTokやインスタグラムに溢れており、多くの場合、専門家がクライアントの髪と体を白い布で覆い、カラフルな布見本をクライアントの顔と比較するという構成になっている。
対面でのカラー診断を予約すると、1回のセッションで数百ドル(数万円)かかることがある。ピンタレストによると、「カラー診断テスト」の検索はこの1年で22倍増加したという。この診断の目的は、人物を目の色、髪の色、肌の色、肌のアンダートーンを使って「ライトスプリング」、「ディープウィンター」、「ソフトサマー」など12のアーキタイプのうちのひとつに分類して、どの「シーズン(季節)」であるかを決定することにある。
エルフビューティーのパートナー戦略
市場調査会社のミンテル(Mintel)によると、ピンタレストユーザーの70%が、ピンタレストは信頼できる新製品、アイデア、サービスを見つけるために訪れる場所だと答えている。ミンテルによると、ピンタレストユーザーの半数近くが25歳から44歳の女性だという。
今回のパートナーシップは、ピンタレストとエルフビューティーの初のパートナーシップとなる。ユーザーがランディングページを開くと、写真をアップロードまたは撮影するように案内され、数秒後にはAIで診断されて自分のシーズンカラーがわかる。そのあと、ユーザーはエルフの12のピン留めされた画像のコレクション、いわゆるボードのひとつに移動し、エルフのeコマースサイトで購入できる厳選されたカラーコスメティクスをチェックすることができる。
エルフビューティーは常識にとらわれない効果的なパートナーシップ戦略で知られている。同社のこれまでのパートナーには、飲料水ブランドのリキッドデス(Liquid Death)、ファストフードチェーンのチポトレ(Chipotle)、水筒タイプマグブランドのスタンレー(Stanley)が名を連ねている。インフルエンサーマーケティングに特化したソフトウェア会社のローンチメトリクス(Launchmetrics)によると、最近では6月はじめにエルフビューティーが化粧品ブランドのロード(Rhode)を買収したあと、推定2000万ドル(約29億円)の「メディアインパクト価値(MIV:media impact value)」がもたらされたという。MIVは、ノンペイド(広告費が払われていない)デジタルプレスの価値を推定するローンチメトリクス独自の指標だ。
5月、エルフビューティーの親会社であるエルフコスメティックス(E.l.f. Cosmetics)は、25四半期連続で純売上高が増加したと発表した。3月31日までの四半期の純売上高は4%増の3億3260万ドル(約482億円)だった。一方、2025年度通期の売上高は28%増加した。
ピンタレストの売上は増加中
ピンタレストには強固なパートナーシップ戦略もある。米グロッシーが以前報じたように、化粧品ブランドのメイベリン(Maybelline)は昨年末、メイクアップ用品のZ世代消費者にリーチすることを目的としてピンタレストと提携し、同じ年、セレクトショップのアンソロポロジー(Anthropologie)は結婚を控えた女性をターゲットとしてピンタレストと提携した。
ピンタレストが委託した2018年の調査によると、調査対象となったユーザーの半数以上がピンタレストを買い物する場所だと考えている。
今年はじめ、ピンタレストは公式スポンサーとしてWNBA(ウィメンズナショナルバスケットボールアソシエーション)チームのニューヨークリバティ(New York Liberty)と新たなパートナーシップを結んだ。また、今年はじめに音楽フェスティバルのコーチェラ(Coachella)との2回目となる年次パートナーシップを無事に終えた。どちらのパートナーシップも、オンラインとオフラインの両方でブランド体験を提供し、ユーザーが「どこにいても」ピンタレストと関われるような施策を展開している。
カリフォルニアを拠点とするこのソーシャルメディアプラットフォームは2010年にローンチされ、2019年に上場した。ピンタレストは、2025年第1四半期の売上が16%増加し、3月31日までの3カ月間の売上が8億5500万ドル(約1240億円)に達したと発表している。
クリエイターからの人気も急成長
ピンタレストはまた、コンテンツクリエイターにとっても急成長している場所だ。世界のクリエイター経済全体のデジタルパフォーマンスを追跡するプラットフォームであるクリエイターIQ(CreatorIQ)によると、2024年のピンタレスト上のクリエイターの総投稿数は前年比50%増の1万8900件に達した。
クリエイターIQの担当者が米グロッシーに語ったところによると、23%のブランドがクリエイターマーケティングのためにピンタレストを定期的に利用していると答え、18%のクリエイターが「ピンタレストを定期的に利用している」と答えている。
クリエイターIQの調査およびインサイト担当ディレクターのアレックス・ラウィッツ氏は「米国の美容ブランドの上位50社が獲得したピンタレストのインプレッション数は平均で前年比516%もの急増を見せたが、その伸びはいくつかの例外的なブランドがけん引する傾向にあった」と述べた。
ラウィッツ氏によると、これにはラグジュアリーブランドのYSLビューティー(YSL Beauty)、シャネルビューティー(Chanel Beauty)、アルマーニビューティー(Armani Beauty)、ディオールビューティー(Dior Beauty)のほか、フーダ(Huda)、セイ(Saie)、メイクアップバイマリオ(Makeup by Mario)、タワー28(Tower 28)などのプレステージブランドが含まれる。
「ただし、トップ美容ブランドにおいてはピンタレストにある程度の勢いが見られるものの、このチャネルでのアクティビティはほかのソーシャルプラットフォームでのクリエイターアクティビティと比べてはるかに低いままだ」とラウィッツ氏は言う。「エルフビューティーがこの勢いを高め、ピンタレストの人気を爆発させる起爆剤となる可能性がある」。
[原文:E.l.f Beauty bets on the allure of archetypes in a new Pinterest partnership]
Lexy Lebsack(翻訳:ジェスコーポレーション、編集:島田涼平)
