トランプ氏の歴史的な再選でドル急伸、ドル円は154円台に乗せる=ロンドン為替概況

 ロンドン市場は、ドル高水準で推移している。昨日の米大統領選の結果が東京時間に続々と報じられた。午後には激戦州であるペンシルべニア州をトランプ氏が制したとの報道で同氏の勝利がほぼ確定した。史上二人目の大統領再選となった。ドル円は東京市場で151円台から154円台乗せまで大幅上昇。いったんは153円付近まで調整が入るもロンドン朝方には再び154.38近辺に高値を伸ばした。その後は154円を挟んだ水準での高止まりが続いている。いわゆるトランプトレードの再燃となっており、ドルが全面高商状。ユーロドルは1.09台から1.07台へと大幅下落し、ロンドン時間も1.07台の安値圏を離れず。ポンドドルは1.30台から1.28台へと下落。対ユーロではポンド買いが優勢。あすは英金融政策委員会の結果が発表される。市場では25bp利下げが織り込み済みとなっている。クロス円はドルストレート主導のなかで明確な方向性をみせていない。ユーロ円は165円台での上下動。ポンド円は東京市場で買われたあと、198円台での取引に落ち着いている。為替市場以外では、米債利回りが大幅上昇、米株先物は大幅高となっている。全般的に米大統領選の決着が早い段階でついたことが好感される面もあるようだ。きょうはお祭り気分で高揚感が高まる相場となっている。今後の焦点は、米下院で共和党が過半数を獲得できるのかどうかとなる。

 ドル円は154円台前半での取引。米大統領選でトランプ氏優勢との報道が相次ぐ中で、トランプトレードのドル買いが強まっている。東京朝方の151.30近辺を安値に、東京昼には154円台に乗せた。その後153円付近までの調整を経てロンドン時間には154.38近辺まで高値を伸ばしている。足元では154円を挟んだ売買に落ち着いており、ドル高水準を維持している。米10年債利回りは4.25%付近から4.45%付近に大幅上昇。米株先物・時間外取引ではダウ先物が1200ドル超高と買われている。

 ユーロドルは1.07台前半での取引。ドルが全面高となるなかで、東京朝方の1.0937近辺を高値にロンドン時間には1.0703近辺まで下押しされている。足元では1.07台で上値重く推移。ユーロ円はドル相場主導の展開となるなかで、方向性に欠ける振幅。165.03-165.99のレンジ取引となっている。対ポンドではユーロは軟調。トランプ大統領の関税政策への警戒感が重石となる面があるようだ。総じて株高となるなかで、ドイツ自動車メーカー株が軒並み下げている。

 ポンドドルは1.28台後半での取引。東京朝方の1.3048近辺を高値にロンドン朝方には1.2847近辺まで下落した。ロンドン時間には1.29台に反発する場面があったが、再び1.28台後半に下げている。ポンド円は堅調。東京朝方の197.35近辺を安値に東京昼に199.05近辺まで買われた。その後は上昇一服となり、198円台割れから198円台後半で振幅している。ユーロポンドは0.8380台から0.8320台へと軟化している。ポンド独自の買い材料は見当たらないが、明日の英金融政策発表を控えて調整含みとなっているもよう。

minkabu PRESS編集部 松木秀明