〈加古川小2殺害事件犯人逮捕へ〉関与を認めた受刑囚の男(45)は警察官の息子だった…過去にも少女に暴行やわいせつの逮捕歴
兵庫県加古川市で2007年10月、小学2年の鵜瀬柚希(うのせ・ゆづき)ちゃん(当時7歳)が自宅近くで刺殺された事件で、別の女児を刺殺したとして無期懲役の判決を受けた受刑囚の男(45)が柚希ちゃんの殺害をほのめかしていることがわかった。男は加古川事件の約1年前、同県たつの市の路上で小学3年の女児(当時9歳)の胸や腹などを刺した事件にも関与した疑いが強まり、県警は近くこの事件(たつの市の事件)で男を殺人未遂容疑で逮捕する方針。
〈写真あり〉関与を認めた受刑囚の男、水泳部時代の海パン坊主頭の写真
「高齢でできた息子さんだったから、ご両親はとても可愛いがっていた」
男は2004年9月、岡山県津山市の小学3年の女児(当時9歳)を刺殺したなどとして2018年に岡山県警が逮捕、一審二審とも無期懲役判決を言い渡し、昨年9月に最高裁が上告を棄却、判決が確定した。
「男は幼い女の子を殴りつけたり、ナイフで襲ったりするなど同様の事件を2000年ごろから繰り返していた札付きの鬼畜です。
長期間未解決だった津山市の事件で逮捕にこぎつけたときも、2015年に起こした女子中学生殺害未遂事件で懲役10年の判決が確定し、大阪刑務所で受刑中でした。
実は男の両親は兵庫県警の警察官で、父親は強行犯担当の刑事として活躍、引退後は叙勲を受けたほどの人物でした。
男はもともと両親と共に加古川市内で暮らしており、犯行場所は兵庫県西部に集中していた。そのため岡山県警の捜査も時間がかかり、兵庫県警に協力依頼したところ手口などから男の存在が浮上した。
今回の鵜瀬さんの事件や前年のたつの市の事件についても、両県警は男の関与について調べを進めていたのです」(捜査関係者)
この男の同級生の保護者は2018年当時の取材にこう答えていた。
「学校ではおとなしくて隅っこの方にいるタイプで、水泳部に入っていたと聞いています。高齢でできた息子さんだったからご両親はとても可愛いがっていたみたいだけど。
お父さんもお母さんも元警察官で70~80代のご高齢だと思う。今はお父さんは週1デイサービスに行っていて、奥さんはよく畑いじりをしていますね。
本人が小学生くらいの時にはよくお母さんが手をひいて近くのハイキングコースを歩いていたし、会えば普通に挨拶する子でした。だから近所で変な子とかそういう噂がたったという事はなかったんですよ」
男が数人の少女に暴行や強制わいせつ事件を起こし、保護観察つきの執行猶予判決を受けたのは2000年のことだ。保護者はこう続けた。
「だから最初の事件で(被害者が)小さい子にというのを聞いてびっくりした。自宅に救急車が来るような騒ぎが何度かあったみたいですが……。その後中学生を刺した事件ですから……。
家庭が厳しかったんだなんて言われてますけど、それはどうかと私は思います。中学生を刺す事件を起こす前のことですが、畑に色々植えていたお母さんは『息子が何でも食べてくれるんですよ』と嬉しそうにしていました。家族仲が悪いような話は聞いたことないし、一回り離れた年のお姉さんもだいぶ前に結婚して出て行ってますから。
中学校時代いじめられていたみたいな報道もありましたけど、私は逆の話を聞きましたよ。同級生に障害のある子がいて、その子をいじめていたとその子の母親から聞きましたからね。弱いからいじめたのか、自分がいじめられてたからか、まあ、理由はよくわかりませんが」
男が傷つけた少女たちはいったい何人にのぼるのか…
津山で被害に遭った女児は、ピアノが得意な活発な少女だった。彼女が通っていたピアノ教室の先生は、当時取材に訪れた記者に声を詰まらせながらこう語った。
「いつも目をキラキラさせていて、天真爛漫で、ピアノも上手でした。ウチの教室に来る際も明るく挨拶して、いつも靴もきちんと揃えていました。
当時、SMAPの『世界に一つだけの花』が流行っていて、彼女はレッスンの前に私に『弾いて』とねだり、演奏するとそれにあわせて歌っていました。彼女がその曲をピアノで弾くこともありました。可愛くて活発で明るくてとても優しい子でした。小1の秋に夏休みの宿題で育てたアサガオの種をプレゼントしてくれました」
お姉ちゃんについてきたのがピアノを習うきっかけだったという。お姉ちゃんは事件の第一発見者として深く心を傷つけられた。
「心無い人たちは第一発見者のお姉さんを疑ってかかる人もいました。残された家族も本当に色々な事を乗り越えてきたと思います。事件後、いつだったかお母さんは『あの子を忘れるわけではないけど、お姉ちゃんとお兄ちゃんたちに早く普通の生活に戻してやりたい』とおっしゃっていましたから。
(犯人逮捕後に)お母さんとお姉ちゃんとは電話で話をしました。『報道の方も多数来てしまってご迷惑やご心配をおかけします』と私たちのことを心配してくれていました。私らも事件の事には触れませんでしたが。とにかく逮捕されて良かった」
男が傷つけた少女たちはいったい何人にのぼるのか。その一人ひとりに家族がいて、存在を気にかける友人や知人が大勢いる。未解決事件も含めて徹底的に掘り起こされなければならない。
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班