メガネも洋服と同じように、かける人に合うサイズがあることを知っていますか? サイズが合わないと、野暮ったく見えたり窮屈に見えたりと機能面だけでなく見た目にも影響します。正しいサイズの選び方について、メガネと帽子専門のスタイリスト里和(さとわ)さんに教えてもらいました。

似合うメガネは「ヨコ幅」がポイント

メガネのサイズを確認する一番オーソドックスな方法をご紹介します。まずはここだけ押さえておけばOK!

【写真】メガネに書いてある数字で、「似合うメガネ」が分かる!

メガネのサイズを調べると、顔の輪郭に対してメガネフレームのヨコ幅とタテ幅(天地幅といったりもします)の説明がされてることがほとんどです。でも、特に重要なのがヨコ幅! 私の経験上、ヨコ幅さえ押さえておけば大丈夫だと思っています。

では、ちょうどいいフレームのヨコ幅とは? それは、フレームのヨコ幅が顔の輪郭のヨコ幅とほぼ同じかほんの少し小さいぐらい。メガネフレームのヨコ幅はメガネの「ヨロイ(智)」(メガネのフロントとテンプルをつなぐ部分のこと)という部分も含めての長さを指します。

輪郭のヨコ幅は、メガネをかけている場所ではなく、正面から見て顔のヨコ幅が一番広い部分に合わせるようにしましょう。例えば、こめかみよりも頬骨の方が幅があるなら、頬骨のある部分のヨコ幅と同じぐらいのフレームを選ぶとしっくりきます。

メガネフレームのヨコ幅が極端に小さいと、窮屈に感じて顔が大きく見えてしまったり、逆に大きすぎると野暮ったく見えてしまいます。メガネも洋服と一緒ですね。

メガネの「タテ幅」は目とのバランスを意識して

メガネのタテ幅(天地幅ともいいます)は、輪郭とのサイズ感にはあまり関係ありませんが、目とのバランスに大きく影響します。つまり、その人の目の形によってちょうど良いタテ幅が変わるんです。

特に注意が必要なのが、切れ長の目の方。切れ長の目の方がタテ幅のあるメガネをかけると、レンズの中の空白が目立ってしまい、より目が細く見え、メガネが大きく感じてしまうことがあります。

メガネをかけてみてレンズの中の目の下の空白が気になるようでしたら、もう少しタテ幅が狭めのものをかけてバランスを見てみるのがいいでしょう。

レンズと黒目のバランスを意識すれば顔のバランスが整う

次に、ちょっと通(ツウ)なメガネのサイズの選び方を紹介します。

フレームではなく、レンズに注目します。レンズのちょうどいい場所に黒目がくるメガネを選ぶ方法です。これがわかると、見た目の良さに加え、かけているときの快適さが変わってきます。

多くの方がメガネを選ぶときはフレームに注目しがちで、レンズ内の黒目の位置を気にすることはあまりないと思います。しかし、メガネ屋さんは両目の黒目の距離(PD)とレンズのバランスを必ず見ています。理由は、快適に見えるために必要だからです。

もちろん、見た目にも影響してきます。レンズの内側に黒目があると寄り目に見えてしまいますし、逆にレンズの外側に黒目があると目が離れているように見えるなど不自然さが出てしまいます。

ちょうどいい黒目の位置は、レンズのヨコ幅に対して中央よりもほんの少し内側。レンズのタテ幅に対しては、幅があるメガネだと中央よりも少し上、幅がないメガネだと中央に来るのが自然に見えます。

似合うサイズが分かる、メガネにある「数字」の見方

じつは、メガネのテンプル(つる)に書かれた謎の数字と、両目の黒目間の距離(PD)で、似合うレンズサイズを見つけることができます。PDはまっすぐ前を見た時の、左右の黒目の中心の直線距離のこと。検眼をしてもらうと必ず測るものなので、もし処方箋などがあればすぐにわかりますし、また多少の誤差は出るかもしれませんが、自分で測ることも可能ですよ。

そして、メガネのテンプル(つる)に書かれた謎の数字ですが、例えばこんな感じで書かれています。「43□24 136」。これらの数字は、43はレンズの幅、24はブリッジ(レンズとレンズをつなぐ鼻部分のフレームのこと)の幅、136はテンプル(つる)の長さ(単位はミリメートル)のこと。

前の2つの数字を足したものとPDの数字が近いほど、黒目がレンズの中心にくるということなんです。

今回の場合だと、43+24=67とPDが同じだと、レンズ幅のちょうど真ん中に黒目がきます。ちなみにレンズ幅は一番広いところの幅なので、実際にはPDよりも少し広いぐらいがちょうどいいですよ。

度数が強い人はレンズが小さめのメガネを選ぶ

メガネのサイズ感について、「輪郭に合うアプローチ」と「黒目の位置からのアプローチ」の2つを紹介しましたが、強度近視と呼ばれる度数が強い方はこの限りではありません。

度数が強いとレンズが分厚くなるので、一般的なサイズ感のメガネだと目の小ささが目立ってしまうことがあるからです。

度数が強くてメガネをかけると目が小さくなるのが気になる方は、できるだけレンズが小さいものを選ぶようにしてみてくださいね。