今オフFAの菊池雄星は3年63億円か 契約金の高騰と争奪戦化が必至の背景「識者の誰もがキクチを酷評していた」
アストロズで声価を高めた菊池。(C)Getty Images
経験豊富な日本人左腕が、MLBのFA市場で貴重な人材となりそうだ。
今夏にブルージェイズからアストロズにトレード移籍した菊池雄星は、シーズン終了とともにFA。契約を巡っては米メディアでも「複数球団が獲得に動きを見せている」と報じられており、小さくない注目を集めている。
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今季の菊池はブルージェイズでは22登板で4勝9敗、防御率4.75と精彩を欠いたが、7月末のトレードデッドライン直前にアストロズへ電撃移籍。心機一転となった新天地では10登板で5勝1敗、防御率2.70と成績が向上。チームの地区優勝にも大きく貢献した。
もっとも、菊池は現在33歳と決して若くはない。さらに今オフのFA市場には大物左腕のブレイク・スネル、さらに剛腕コービン・バーンズといった実力派投手が居並んでいるため、交渉が後ろ倒しになる可能性も小さくない。
だが、レギュラーシーズンで確かな結果を出した左腕への評価は高い。米老舗誌『Sports Illustrated』は、アストロズで声価を高めた今季の菊池について「多くのアナリストや識者がアストロズにとって『損失となる取引だ』と酷評していた。しかし、キクチは新天地で成績を大きく好転させた」と絶賛。その上で「実績とタレント性を兼ね備えた選手を獲得したいチームなら彼に巨額の契約をオファーするかもしれない」と論じた。
では、具体的な契約金はいくらになりそうか。いまだ米メディアでの話題も憶測の域を出ていないが、『The Athletic』のアナリストで、元レッズGMのジム・ボウデン氏は「3年4200万ドル(約63億円)」と断言。そして理想的な移籍先として今オフに先発投手が補強ポイントとなっているレッドソックスを挙げている。
スネルらの交渉次第では、移籍金の好投も見込まれる菊池。彼のFA動静は今後の日本人選手たちの指針にもなり得るだけに大いに注目だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]