【人手不足】人が採用できない会社の人事が見逃していること
「あなたの会社はZ世代に嫌がられるような採用活動をしていませんか?」――そう語るのは、ワンキャリア取締役の北野唯我さん。「常に人手不足」「認知度が低い」「内定を辞退されてしまう」「外資系との給与差が開いている」といった多くの採用担当者、経営者の悩みを解決するため、北野さんが執筆したのが、著書『「うちの会社にはいい人が来ない」と思ったら読む 採用の問題解決』です。これまで属人的で全体像が見えなかった採用活動を構造化し、3000社以上の企業の採用支援実績、180万人の求職者のデータに基づいた「新しい採用手法」を紹介した一冊です。この記事では、本書より一部を抜粋・編集して紹介します。今回は、「企業イメージ」をアップさせるための方法についてです。
採用に影響する「6つの企業イメージ」
人を採用するために最も重要なこと、それは「企業イメージ」をつくることだ。私が見る限り、9割の企業がそもそもこの事実を知らない。
では、企業イメージを良くするには、どうすればいいのか。
企業イメージ構築の最終ゴールは、「評判」と「認知率」両方を上げることだ。一方で、「自社がどういうイメージを持たれたいか」という質的なゴールも重要になる。
企業イメージを強化するためには、社員の成長機会や働きやすさ、社会貢献、技術革新、国際性などを具体的に打ち出し、求職者が理解しやすい形に翻訳する必要がある。
以下は、HRの観点から構築できる企業イメージと具体的な企業の一例である。自社がどんなイメージを目指すのかの参考にしてほしい。
よく「うちの会社は給料が良くないから…」「いい人が来てくれるはずないよ」という声を聞くが、求職者は、「報酬・待遇」だけを求めているわけではない。このことを見逃さないように気をつけたい。
・若手の成長機会が豊富な企業
具体例:リクルートホールディングス
イメージ:社員一人ひとりの成長機会が豊富で、キャリアアップの道が広がっている。
手法:社員のキャリアパスや成功事例をメディアやイベントで紹介し、社内での成長機会を強調する。
・働きやすさを重視する企業
具体例:サイボウズ
イメージ:柔軟な働き方ができ、ワークライフバランスを重視している企業。
手法:リモートワーク制度やフレックスタイム制度の導入事例を広報し、働きやすさをアピールする。
・報酬・待遇が良い企業
具体例:キーエンス
イメージ:業績連動型のボーナスや成果に基づく報酬制度により、社員の努力が正当に評価される企業。
手法:実績に応じた報酬制度やIR上の数字を通じて、努力が報われる環境を強調する。
・社会貢献に積極的な企業
具体例:ユーグレナ
イメージ:環境や社会問題に対する取り組みが評価されている企業。
手法:CSR活動や環境への取り組みをメディアで紹介し、社会貢献の姿勢を強調する。
・技術革新をリードする企業
具体例:トヨタ自動車
イメージ:最先端の技術開発やイノベーションを推進している企業。
手法:技術開発の成果や新製品を広報し、技術革新の姿勢をアピールする。
・国際的な視野を持つ企業
具体例:三菱商事
イメージ:国際的に活躍する機会が多く、グローバルな視点で事業を展開している企業。
手法:海外事業の展開や国際的なプロジェクトの事例を紹介し、国際性を強調する。
(本記事は『「うちの会社にはいい人が来ない」と思ったら読む 採用の問題解決』を元に抜粋・編集したものです)
株式会社ワンキャリア 取締役 執行役員CSO
兵庫県出身。神戸大学経営学部卒。就職氷河期に新卒で博報堂へ入社し、経営企画局・経理財務局で勤務。米国・台湾留学後、外資系コンサルティングファームを経て、2016年ワンキャリアに参画、現在取締役 執行役員CSO。作家としても活動し、デビュー作『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』(ダイヤモンド社)、『天才を殺す凡人』(日本経済新聞出版)など、著作の累計部数は40万部を超える。
ワンキャリアは2021年10月、東京証券取引所マザーズ市場(現グロース市場)に上場。累計3000社以上の企業の採用支援実績があり、累計180万人の求職者に利用されてきた。新卒採用領域の採用プラットフォーム「ONE CAREER」は2020年から4年連続で日本で2番目に学生から支持され、東京大学、京都大学の学生の利用率は95%となっている。