2026年の営業再開をめざす和倉温泉・加賀屋が、新たな一歩を踏み出しました。

地震により舞台を失った専属歌劇団の東京公演が10月からスタートし、7月に就任した渡辺社長が思いを語りました。

加賀屋 渡辺崇嗣社長「加賀屋グループは、「あすへの活力注入業」を使命としている。何が心配かと言うと、能登地震が風化して忘れられていくこと。どうか今しばらく能登の方に心を寄せていただければ」

10月11日、加賀屋専属の歌劇団・レプラカン歌劇団のショーが都内で開かれました。初日は一般客や関係者ら約60人が日本一の旅館が誇る歌劇団の舞台を楽しみました。

この公演は、上質なナイトエコノミーの創出をめざす大手旅行会社JTBとアサヒビールが、被災地の復興支援につなげようと地震の影響で休館が続く加賀屋とコラボレーションして実現しました。

舞台に立った歌劇団のメンバー5人は、元日の舞台稽古中に被災し、活動の場を一瞬にして失いました。介護施設や保育園を慰問したり地元に戻って舞台活動をしたりするなど、それぞれの時間を過ごしてこの日を迎えました。

渡辺崇嗣社長「彼女たちにとってはステージでお客様に披露することが生きがいでありやりがい。その場を作ってあげられなかったのは会社としては申し訳ないところだった。こういったステージを作ってもらえたことで彼女たちも元気が出たと思う。」

観客「一生懸命さが伝わってきて感動した。私たちができることは、ずっと能登のことを覚えていて応援する気持ちを持ち続けること。」

レプラカン歌劇団・夏輝レオン「日常が奪われてしまうという中で私たちの仕事が突然ストップして途方に暮れている中、公演をしたいと思っていた時に(この舞台に立てて)こんな夢のようなことが起こるんだ。「生きててよかった」本日は本当にありがとうございました。」

レプラカン歌劇団・ゆふきれい「加賀屋の舞台でもう一回踊りたいという思いでずっと頑張ってきて、加賀屋で果たせなかった新年のショーができた気がして嬉しかった。」

渡辺社長は、舞台を終えた歌劇団に「素敵なショーでした。ありがとうございました。最後の「レジェンドオブ加賀屋」を聴いてジーンときた。最後のメッセージもそうでしたけど、頑張ってくれてありがとうございます。」と声をかけていました。

渡辺崇嗣社長「今回のようにいろいろな会社の取り組みに私たちが役に立てるとか、活躍の場が見い出せることがあれば、ぜひいろいろな企業とコラボとか協業したい。今まで以上の「おもてなし」や料理、企画をできるようにしていきたいと思っていて、それに向けてスタッフそれぞれが出向に行ったり、できることをやってくれている。どこかでは全員で集合して前に向かって進んで行きたいと思っている。」

レプラカン歌劇団の公演は都内で毎月4回、12月まで予定さています。