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 広島・森翔平投手(26)が26日、マツダスタジアムでの秋季練習でシート打撃に2度目の登板。スライダーと直球の軌道をテーマに、打者8人を無安打1四球に抑えた。来季の先発一本立ちを誓う左腕。今秋ドラフトで刺激があった。中日1位の金丸夢斗投手は関大、DeNA1位の竹田祐投手は三菱重工Westの後輩に当たる。勝負の4年目。後塵(こうじん)を拝するわけにはいかない。

 打者9人を2安打に抑えた前回20日から中5日。森が秋季練習で2度目のシート打撃登板を果たした。走者三塁の想定で、小園を投ゴロに斬って三走を本塁封殺するなど、打者8人に38球を投げて無安打1四球。一定の手応えをにじませた。

 「スライダーと真っすぐをしっかり、間を変えて投げるのがテーマ。ボールの軌道は前回より良かった。感覚的にも良かったけど、もう少し強くいけるかなとも思ったので、もうちょいですね」

 20日のシート打撃は「自分の思う軌道ではなかった」ため、登板後にブルペンで30球をおかわり。「膨らんで投げがち」なスライダーの軌道を、「ラインだけ真っすぐ出して曲がるイメージ」に変えるべく投球練習し、方向性を見いだした。

 24日のドラフト会議で刺激を受けた。関大の後輩・金丸が4球団競合の末に中日から、三菱重工Westの後輩・竹田はDeNAに、それぞれ1位指名を受けた。いずれもセ・リーグのライバル球団。来季から投げ合う可能性は小さくない。

 「2人も。素晴らしいですね、本当に。1位なので出番があると思う。僕も負けないようにしっかり頑張りたいと思います」

 2人とは大学、社会人で入れ替わりながら面識がある。金丸とは広島入団後、関大を訪ねた際に「1回だけ少ししゃべった」。竹田とも、あいさつに出向いた前所属先の練習場で対面したという。プロの先輩として、後輩たちにエールを送ることも忘れなかった。

 「評価されているので、持ち味を出せばいい。持っているものを出せば活躍できる2人だと思うので。僕も負けていられない立場なので、必死にやりたいなと思います」

 春先に調子が上がらない課題克服には、オフに体を強化し、技術練習に入る時期を早めて対処する構え。先発ローテーションに定着し、一本立ちを誓う勝負の4年目へ。即戦力の評を得る後輩たちに、先輩の威厳を結果で示す意気込みだ。(江尾 卓也)