河北省で中日陶磁器文化テーマの交流イベント

23日、イベント会場に展示された陶磁器。(保定=新華社記者/杜一方)

 【新華社保定10月25日】中国河北省保定市曲陽県で25日までの3日間、中日の陶磁器文化をテーマとした交流イベントが開催された。同地を発祥とする玉のようなしっとりとした質感の定窯白磁、素朴な味わいの備前焼の酒杯、透明感のある色調の京都の蘇山青磁など、貴重な陶磁器作品が多数展示されたほか、両国の陶芸の大家や専門家が一堂に会し、陶磁器文化の魅力を共に探った。

 備前焼で知られる岡山県備前市の吉村武司市長は開幕式で、備前焼は日本の代表的な伝統工芸品で、千年の歴史を持つ日本六古窯の一つだと紹介。陶磁器を通じて両国の文化交流をさらに促進していきたいと意欲を示した。

河北省で中日陶磁器文化テーマの交流イベント

23日、イベント会場に展示された備前焼作品。(保定=新華社記者/杜一方)

 同市の陶芸家、木村桃山氏はエプロンをつけ、現地で手に入れた陶土を使い、ろくろ回しを実演した。「曲陽の陶土は滑らかで使いやすい。備前の田んぼの土には不純物が混じる」。備前焼がユニークなのは、釉薬(ゆうやく)をかけず絵付けもせず、炎と技術だけで作るので、一つとして同じ作品がないことだと紹介した。

 曲陽県には現在、定窯磁器の工房が360余りあり、400種以上の製品を生産、2万人余りが働いている。イベントでは国家級無形文化遺産「定窯磁器焼成技芸」の代表的伝承者で「中国工芸美術大師」でもある龐永輝(ほう・えいき)氏が、模様を彫る「刻花」を実演し、定窯磁器の芸術性や独創性を生き生きと披露した。「定窯の白は、絢爛(けんらん)極まった後の平淡であり、シンプルでいて厚みがある。中華文明の歴史の蓄積を垣間見ることができる」と述べた。

河北省で中日陶磁器文化テーマの交流イベント

23日、イベント会場に展示された陶磁器。(保定=新華社記者/杜一方)

 中国の著名陶芸家、白明(はく・めい)氏は、中日両国の陶磁器作品には、土地、火、人への限りない思いがこもっているとし、「陶磁器芸術は創造力によって人々の永遠の関係を築く。背後にあるのは壮大な物語ではなく、人々の生活だ」と指摘した。

 中日友好協会の程永華(てい・えいか)常務副会長は、陶磁器は中国で生まれ、世界の文化的至宝になったと指摘。中日両国の陶磁器づくりの歴史は長く、文化や芸術における学び合いの重要な一部をなしてきたとし、「民間の友好こそ中日関係を発展させる力の源泉だ」と述べた。(記者/杜一方、楊珏)

河北省で中日陶磁器文化テーマの交流イベント

23日、定窯磁器に模様を彫る「刻花」技法を実演する中国工芸美術大師の龐永輝氏。(保定=新華社記者/杜一方)

河北省で中日陶磁器文化テーマの交流イベント

23日、イベントで交流する中日の陶芸家。(保定=新華社記者/杜一方)