送検される宝田真月容疑者(20日午前8時25分、横浜市青葉区で)=米山要撮影

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 横浜市青葉区鉄町(くろがねちょう)の住宅で後藤寛治(ひろはる)さん(75)の遺体が見つかり、現金が奪われた事件で、神奈川県警は20日、強盗殺人容疑で逮捕していた千葉県印西市、宝田真月(まづき)容疑者(22)を横浜地検に送検した。

 宝田容疑者は「闇バイト」とは知らずにSNSで応募して事件に加担したとみられ、「個人情報を教え、断れなかった」と容疑を認めているという。

 発表によると、宝田容疑者は仲間数人と共謀し、15日頃、後藤さんに暴行を加えて殺害した上、現金約20万円を奪った疑い。後藤さん宅からはネックレスなど数点もなくなっていた。

 調べに対し、宝田容疑者は「税金の滞納が数十万円あり、短期間で稼げるアルバイトをSNSで探し、『ホワイト案件』の投稿を見つけて応募した」と説明し、「途中で犯罪に加担することに気付いたが、家族に危害が加えられるかもしれないと考え、断れなかった」と話している。

 捜査関係者によると、後藤さん宅には、指示を受けて自分の車で向かったといい、指示役との連絡には秘匿性の高い通信アプリを使用。実行役は自身を含め3人で、「ほかの2人とは面識はなかった」としている。同居の父親によると、宝田容疑者は個人で塗装関係の仕事をしており、14日深夜に車で家を出て、16日早朝に帰宅したという。

 後藤さんが手足を縛られていた粘着テープからは、17日に千葉県市川市で発生した事件で、住人女性を監禁したとして現行犯逮捕された住所・職業不詳藤井柊(しゅう)容疑者(26)の指紋が検出された。藤井容疑者の指紋は、9日に同県船橋市で判明した強盗致傷事件の現場でも見つかっている。

 市川市の事件では藤井容疑者のほか、いずれも自称で横浜市旭区、内装工高梨謙吾容疑者(21)が、千葉県警に強盗致傷容疑などで逮捕されている。監禁された女性は、押し入った男らにキャッシュカードの暗証番号を言うよう脅されたといい、口座からは現金が引き出されていた。

 高梨容疑者は、同県白井市で16日に発生した強盗致傷事件への関与もほのめかしており、「闇バイトに応募したが嫌になった」などと話しているという。