東京都の最低賃金が「1163円」に引き上げられるというニュースを見ました。私は手取りで月15万円なのですが、もしかして最低賃金を下回っているのでしょうか?

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2024年10月1日から、東京都の最低賃金は「1163円」に引き上げられることになりました。この改正に応じて、時給がアップする人も出てくるでしょう。しかし中には給与の支給が日給や月給であることから自分が最低賃金以上もらっているか分からない方もいるでしょう。例えば手取りで月15万円をもらっている場合、最低賃金を下回っているかもしれないと心配するかもしれません。 そこで今回は、最低賃金改正の概要と、自身の給与が最低賃金以上かどうかを確認する方法について調べてみました。収入を増やすためにできることもご紹介しますので、参考にしてみてください。

東京都の最低賃金は時給1113円→1163円に!

東京労働局によると、東京都の最低賃金を現行の時間額1113円から50円引き上げて、1163円に改正することが決定されました。効力発生日は令和6(2024)年10月1日です。これに伴い、今まで最低賃金の時給1113円で働いていた方は、時給がアップすることになるでしょう。
時給で働いている人は、最低賃金を上回っていることを簡単に確認できますが、日給や月給で働いている人はいまいち状況がつかめないかもしれません。
厚生労働省の「最低賃金額以上かどうかを確認する方法」によると、日給制・月給制・出来高払い制などの場合も、自身の給与を時給換算して確認できます。例えば日給の場合は「日給÷1日の所定労働時間」で計算して、1163円以上であれば問題ありません。
 

手取り15万円は改正された最低賃金を下回っている!? 確認する方法

月給の場合は「月給÷1ヶ月平均所定労働時間」で計算します。例えば手取り15万円といっても、社会保険や税金が引かれているため、実際の総支給額はこれよりも多いはずです。一般的に手取り額は総支給額の75%~85%ほどだといわれていますから、仮に80%で計算すると総支給額は19万円ほどになるでしょう。
月給が19万円だとして、最低賃金の対象とならない賃金である「通勤手当」「時間外手当」などを差し引きます。「職務手当」は除外されない項目です。通勤手当が1万円で残業なし、労働時間は1日8時間で年間労働日数が240日だとすると、以下のように計算できます。
・(18万円×12ヶ月)÷(240日×8時間)=1125円
上記のケースでは時給換算で1125円となり、改正前の最低賃金は上回っているものの、改正後の1163円には満たないため、改善が求められます。なお、出来高払い制で歩合給であったり固定給と歩合給が併給されたりする場合の計算方法についても、厚生労働省のホームページで確認できます。給与の仕組みが複雑でよく分からない場合は、都道府県労働局または最寄りの労働基準監督署に問い合わせてみるといいでしょう。
 

収入を増やすためにできること

最低賃金が改正されたとはいえ、近年の値上げラッシュや物価高で、収入を少しでも増やしたいと考えている方もいるでしょう。手取り15万円で生活が厳しい場合は、以下のような方法で収入アップを実現できるかもしれません。
 

・今の会社で収入アップを目指す

会社にもよりますが、定期昇給が実施されるケースが一般的です。年齢給のように一律で昇給する場合や、査定結果に応じて昇給する場合もあります。今の会社でどのような方法で昇給が実施されるかを確認するといいでしょう。また昇進や昇格によって収入がアップする場合も考えられます。
 

・ダブルワークで収入源を増やす

副業を認めている会社に勤めている方は、ダブルワークで収入アップを目指せます。残業がほとんどないフルタイムの仕事で手取り15万円であれば、仕事終わりや休日を活用して短時間のアルバイトをできるかもしれません。
 

・正社員を目指す

雇用形態によってボーナスの有無が異なる場合があります。非正規雇用でボーナスが支給されていない場合は、正社員を目指すことでボーナスが支給されるようになるかもしれません。勤務先の給与形態や正社員雇用制度があるか確認してみるといいでしょう。
 

・転職を検討する

今の会社で収入アップが望めない場合も考えられます。求人情報をチェックする際は、最低賃金を上回っているかだけでなく、今よりも収入アップが望めるかをしっかりと確認するといいでしょう。
 

手取り15万円で最低賃金以上かどうかは時給換算して確認できる

最低賃金かどうかは、月給制の場合「月給÷1ヶ月平均所定労働時間」で計算して確認できます。手取り15万円の場合、社会保険料や税金が引かれているため、実際の総支給額は人によって異なります。また給与の内訳には「職務手当」が含まれていたり、最低賃金の対象とならない賃金である「通勤手当」「時間外手当」なども含まれていたりする場合があるため、確認したうえで時給換算しましょう。
最低賃金の改正によって今の収入が最低賃金を下回っている可能性も考えられるため、確認してみることは大切でしょう。最低賃金ギリギリで生活が厳しいと感じる場合は、今の会社で収入アップを目指したり、ダブルワークで収入源を増やしたりできるでしょう。非正規雇用であれば正社員を目指したり、転職を検討したりして、収入を増やせるかもしれません。
 

出典

厚生労働省
東京労働局 東京都最低賃金を1,163円に引上げます

 最低賃金額以上かどうかを確認する方法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー