「これまで電サポ中は玉を増やせなかったですが、増やしてもよくなりました。しかも、大当りよってその増加率も変えられます。例えばですが『この大当り後は150%増えるけど、こっちの大当り後はちょっと減る』みたいな感じにして、トータルで110%までの増加ならOK。従来の小当りラッシュに近いですが、作り方次第ではボーナス後にATに突入するパチスロみたいなゲーム性も作れるんじゃないですかね」

◆ドラスティックな緩和だけに期待できる!?

 新たなゲーム性の台を生み出せるとはいえ、検査基準や総量自体は変わらないので、現状の出玉性能以上の機械は作れない。だが、それでも「今回のパチンコの規則緩和によってお客さんの流れが変わるかもしれない」とA氏は言う。

「これまでパチンコパチスロファンを取り込もうとして、設定付きにしたり、パチスロで言う『天井』みたいな遊タイムを作ってことごとく失敗しています(笑)。でも、さすがにここまで自由度が高くなるとゲーム性が大幅に広がってパチスロっぽい機械も作れそうですよね。そしたらパチスロから流れてくるお客さんが増えるかもしれないので、ちょっと期待はしています」

◆今回の規則緩和を上手に活かせるか?

 ファン離れが止まらない昨今のパチンコ業界。一昔前の勢いを取り戻そうと必死に試行錯誤しているわけだが、今回の話を聞いて思ったのが「生き残った数少ないファンをパチンコパチスロで取り合っているだけになっていないか?」ということ。

 規則緩和で自由度が高まり、これまで以上に斬新かつ面白い機械が作れるのは間違いないだろう。だが、それによって新たな高射幸性競争が起こり「さらに新規客や初心者が参入しづらくなる」といった事態だけは避けてほしいところである。

取材・文/サ行桜井

【サ行桜井】
パチンコ雑誌『パチンコ必勝ガイド』『パチンコオリジナル実戦術』の元編集者。四半世紀ほど勤めた会社を退社しフリーランスに。現在は主にパチンコや競輪の記事を執筆している。