153cmを「149cmのおちび」と逆サバ読みする”弟の彼女”がアピールしたいこと
成人が考える「理想の身長」は何センチ?
球団公式が発表した大谷翔平・真美子夫妻の身長は、193cmと180cm。
アスリート夫婦は記録も身長もビッグである。
わたしたち日本人の平均的な身長は、総務省の2021年の調べによれば、18歳男性で171.1cm、女性は156.0cm。大谷夫婦に較べるとだいぶ小柄だが、明治時代の平均身長は男性157cm、女性147cmというから、150年ほどでずいぶんと伸びたものである。
では「理想の身長」はどれくらいだろう。2014年、20〜60代の男女1500人に行ったというを対象にしたしらべぇ編集部の調査によると、男性が考える男性の理想は、176〜180cmが最も多く(44.4%)、171〜175cm(29.2%)、181〜185cm(16.4%)と続く。
女性の1番人気は156〜160cm(44.0%)で、161〜165cm(39.6%)、151〜155cm (10.0%)となっている。
とはいえ、この調査は10年前のものなので、大谷夫妻の影響で、今は高身長を望む声も増えているかもしれない。
だが、『ちっちゃくてかわいいワタシ 痛すぎる勘違い女の正体 』(ぱん田ぱん太 / KADOKAWA)に登場する女子大生 みゆの望みは「できるだけ小さく見せる」ことである。
本当は153cmの身長を、「149cmだ」と逆サバ読みするのだ。
大人気漫画シリーズ ぱん田ぱん太さんの『欲しがるあの子を止められない とんでもないクレクレちゃんに絡まれた結果、人生を深く考えた話』の続編として、今年7月に電子書籍で出版。
前作と同じく、主人公は「人間関係のトラブルに巻き込まれやすい」きよかである。『欲しがるあの子を〜』では恋人だったゴリ男は、きよかと結婚して、夫となった。
前作の「欲しがるあの子」=クレクレちゃんも強烈キャラであったが、今回の中心人物 “みゆ”もまた、強烈さでは負けていない。
自己顕示欲強め女の非常識
きよかの弟 風太郎がつき合っているのは、大学の後輩“みゆ”。本名はゆみこと言うが、「ゆみこって、おばーちゃんみたいでダサいから」と、自分をみゆと呼べと、初対面のきよか夫婦にいう。さらにきよからの母に向かって、「おばちゃん(きよかの母)、喉かわいた」だの「おばちゃんのごはん、おいしい」(から夕食は食べていく)だのと、妙になれなれしいというか図々しい。
最初のうちは、「悪い子じゃないけど、変わっとんなあ」くらいに見ていたきよかだったが、夫 ゴリ男の膝の上に座ってみたり、実家に置いてあったきよかの服を勝手に持ち出していたりと、図々しいを通り越す、みゆの非常識なふるまいに、きよかは徐々に苛立ち始める。
みゆは自分を「小さく」「幼く」見せたいらしいのだが、その自己顕示欲がハンパないのだ。
みゆの軌道を逸した行動で困惑させられる、きよかとその家族を描いた連載の第3話。
実家で、またしてもみゆに遭遇したきよかは、服を借りパクしたことなどなかったかのように振る舞うみゆの行動に、不気味さすら感じるようになっていた。
本当は153cmあるのに
実家の両親と夫のゴリ男と、久しぶりに家族で外食することになり、はしゃぐきよかの脇で、自分も行く気になっているみゆ。その図太さに、またしても苛立ちを募らせるきよかだったが、何かとつっかかってくる弟の風太郎に「気に入らないなら自分が行くな」と言われ、黙り込む。
結局みんなで電車で行くことになるのだが、みゆは「電車に乗ったことがない」「靴を抜いて乗るのか」などと言いだし、呆れるきよかにむかって、またもや「幼い」アピールをするのだった。
その後もひんしゅく行動は止まらない。
電車内ではわざわざ一番高い吊り革に手を伸ばし「おててが届かん」「みゆ149cmのおちびじゃけぇ」などと言って、身長155cmのきよかを「でっか〜、でっかい」呼ばわりする。さらには男性用のLサイズマスクを「女性用Sサイズ」と偽って、小顔アピール。
いちいち引き合いに出されるきよかを思いやって、ゴリ男が割って入るが、今度はそのゴリ男に、「抱き上げて」などと言いだす。
大学生のいい大人が、である。
みゆは、本当は自分の身長が153cmだとわかっている。
なのになぜ、「小学生みたい」などと幼いアピールをするのか。
裏表のあり過ぎるみゆに、きよかもゴリ男も不信感を募らせるのだ。
◇153cmの身長を149cmと逆サバよみしたり、「お顔が小さい」「おててが小さい」「お酒が飲めない」と小さい、幼いアピールを連打するみゆには、読んでいる私たちでさえもうんざりしてくる。
だが、きよかやゴリ男はともかく、彼氏の風太郎や、きよかの両親はすんなりと受けて入れているように見える。ならば、大学やサークルの友人たちは、どう感じているのか。
続く4話「『安っぽい子ども服に不自然な甲高い声』非難浴びても『小学生に見られたい』女子大生の異常」でお伝えする。