7回無死、オースティンがソロ本塁打を放ちナインとタッチを交わす(カメラ・相川 和寛)

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◆2024 JERA クライマックスシリーズ セ・ファイナルステージ 第2戦 巨人1―2DeNA(17日・東京ドーム)

 一丸となって、僅差の試合を守り切った。王者・巨人を振り切って連勝を飾り、DeNA・三浦大輔監督(50)はグっと拳を握った。リーグトップ15勝の菅野から2点を奪い、計4投手が1失点でつないだ。投打がかみ合い、戸郷、菅野とリーグ屈指の好投手を連破。アドバンテージを含め2勝1敗とし、指揮官は「最少得点差を守り切ったのが大きかった」とうなずいた。

 満身創痍(そうい)の中、一体感を持って戦った。先発の大貫は、先を見ず飛ばした。初回から3者連続空振り三振。第1S初戦で左太もも裏肉離れを発症したエース・東を欠く状況で、意地を見せた。6回に1点を失ったが、6回2/3を5安打1失点。9回は16日の第1戦で肩の不安からベンチ入りメンバーを外れた森原が抑え、「最後は気持ちです」と頼もしかった。

 苦しいのは投手陣だけではない。この日、捕手の伊藤が左太もも肉離れで出場選手登録を抹消された。正捕手の山本は9月に死球で右尺骨を骨折して手術。ベストメンバー、ベストコンディションには程遠い現状で、指揮官は「無理をして出てもらっている選手もいる」と正直に明かす。

 シーズン3位から、CSに入って無傷の4連勝。2年ぶりのCS白星を挙げた大貫は「けがをする方が増えているけど、チーム一丸となってカバーする。そういう思いはみんなが感じている」とナインの思いを代弁した。厳しい台所事情が団結を生み、勢いとなっているポストシーズン。傷だらけのDeNAが、たくましく歩む下克上ロード。日本シリーズまであと2勝だ。(内藤 菜月)