画像:テレビ朝日『ザ・トラベルナース』公式サイトより
10月17日、ドラマ界に新たな人気“シリーズ”が誕生します。それは、中園ミホ氏が脚本を手掛けるドラマ『ザ・トラベルナース』(テレビ朝日系、木曜よる9時〜)。中園氏といえば、12年にわたる大人気シリーズ『ドクターX』の生みの親。『ザ・トラベルナース』は、主演の岡田将生×中井貴一が“フリーランス”看護師として、患者やその家族、医療従事者をも救っていく物語です。2022年に放送されたドラマの続編として、いよいよ放送がスタートします。

◆1分で読める!『ザ・トラベルナース』はこんなお話

『ドクターX』同様、ふたりの基本設定さえ押さえておけば楽しめるドラマです。岡田が演じるのは、一定の医療行為を実施できる看護資格「NP(=ナース・プラクティショナー)」を持つ優秀なナース・那須田歩。一方で中井は、柔らかすぎる物腰でありながら、こちらも圧倒的なスキルを持ち、ここぞという場面では痛烈な一言で理不尽を一刀両断する謎多きスーパーナース・九鬼静を演じています。

前作でふたりは反発し合いながらも絆を深め、患者ファーストで医療現場を改革してきました。歩は、実は学生の頃から“あしながおじさん”として陰ながら自分を支援してくれていた静に多くを学び、一歩ずつ成長。本作では舞台となる病院が変わりますが、以上の内容を知っておけば問題ありません。

◆岡田×中井 練り上げたキャラ強の応酬がパワーアップ?!

前作で最も印象的だったのは、キャラの全く違うふたりの掛け合い。プロ意識が高くて卓越したスキルをもつという共通点がありながらも、歩は直球型、静は変化球型です。

今年は話題の映画に、朝ドラ、配信ドラマへの出演が続く、超売れっ子俳優の岡田。意識とプライドの高さ故に、態度も大きくストレート過ぎる言動で、一見感じの悪い歩を、絶妙な表現力でチャーミングに見せています。

そして言わずもがな大御所・中井は巧みな緩急で、嘘をついたり、一喝したり、諭したり、寄り添ったり――シーンの要所要所でその実力を発揮。両名が創り上げたクセの強いキャラクター同士によるセリフの応酬は、それだけでも見応えがあります。

◆山崎育三郎に内藤剛志……見どころは、新キャストとの化学反応

主人公のふたり以外のキャストも実力派揃い。前作でふたりの同僚看護師を演じた寺島しのぶ、安達祐実、野呂佳代は本作でも続投。

そして本作でふたりの最大の敵となりそうのは、新たな勤務地となる「西東京総合病院」で、前院長の汚職発覚を受けて誕生した“新”院長・薬師丸卓です。演じるのは、岡田とは『昭和元禄落語心中』(2018年、NHK)以来6年ぶりの共演となる山崎育三郎。

他にも、テレビ朝日系列で刑事の役以外は久しぶりの内藤剛志が、失脚した元病院長役で登場。同病院の医師を、風間俊介や渡辺大知、マキタスポーツなど今回も名だたるキャストが脇を固めています。

◆朝ドラ『虎に翼』で大注目の森田望智がヒロイン!

個人的に最も楽しみなのは、今回のヒロイン。岡田も出演していた朝ドラ『虎に翼』で、主人公の親友“花江ちゃん”役が人気を集めた森田望智が担います。朝ドラではあまり絡みがなかったふたりの共演! これだけでも充分にアガります。

しかも役どころが、地下アイドルとして一向に花開かず、生活のために看護師に転身したという変わり種。仕事ぶりは控えめに言ってもポンコツなのに、元アイドル現役ナースという肩書を売りにする……これまたクセ強なキャラクターを森田がどう演じるのか。岡田や中井とどんな掛け合いを見せてくれるのか。目が離せそうにありません。

◆徹底した取材をもとに描かれるリアルな医療現場

何より中園ミホ氏は、徹底した取材をもとにしたリアルな医療現場を描きながらもユーモラスな展開で惹きつける構成力が秀逸。『ザ・トラベルナース』は、痛快医療ヒューマンドラマとして、『ドクターX』シリーズファンの方は、間違いなく満足できる作品です。前作を観た方も、観なかった方も、きっと楽しめるはずです。

<文/鈴木まこと(tricle.ltd)>

【鈴木まこと】
tricle.ltd所属。雑誌編集プロダクション、広告制作会社勤務を経て、編集者/ライター/広告ディレクターとして活動。日本のドラマ・映画をこよなく愛し、年間ドラマ50本、映画30本以上を鑑賞。Twitter:@makoto12130201