静岡県内選挙区の動きを追う特集、10月16日は静岡2区です。

【動画】静岡2区は三つ巴 各候補カラーを打ち出し真っ向勝負 国を巻き込む"リニア論争"はスタンス分かれる【衆院選2024】

藤枝市や焼津市、島田市などが選挙区となる静岡2区には、届け出順に▼自民党の前職・井林辰憲候補(48)、▼参政党の新人・提坂大介候補(48)、▼立憲民主党の新人・鈴木岳幸候補(51)の3人が立候補しました。知事交代で少しずつ局面が変わり始めた「リニア問題」ですが、候補者の意見は分かれます。

<自民・前職 井林辰憲候補>

「自民党を変わらなきゃいけない、変えなきゃいけないという思いを今ほど強く思ったことはありません」

自民党・前職、井林辰憲さんです。派閥の裏金問題による党への逆風を意識しながらも、今回の目標設定を高く掲げます。

<自民・前職 井林辰憲候補>

「前回頂いた13万1082票、この票を絶対超える。そのお力をいただいた上で、東京で、そして静岡で、そして地元で改革を取り組んでいきたいと思っております」

子育て政策や山間部のインフラ整備に取り組む姿勢を強調。今回は静岡県連会長という立場でほかの選挙区に応援に向かう予定が多く、地元で戦う時間は限られています。

<自民・前職 井林辰憲候補>

「1票でも多くと思ってやらないとですね、大敗する選挙になってしまうと、そういう危機感があります」

Q.地元・川根温泉に泊まると体も休まる?

「そうですね。じっくり休んで、英気を養って、明日からも頑張りたい」

<立憲・新人 鈴木岳幸候補>

「(自民党政権の)この12年間我々の暮らしは厳しくなる一方です。その反対側では一部の大金持ちとか権力者と呼ばれる人がどんどんどんどん強くなっている」

立憲民主党・新人 鈴木岳幸さんのキャッチフレーズは「くらし底上げ、まっすぐ全力。庶民の政治を取り戻す」。藤枝市議3期目途中で辞職して挑む国政選挙。大学の授業料無償化や公立の小中学校の給食費無料化などを訴えます。

選挙戦初日は父親の出身地である島田市川根町で支援を呼び掛けました。異例の短期決戦で準備不足は否めませんが、地元の藤枝以外で支援を広げられるかが課題です。

<立憲・新人 鈴木岳幸候補>

「息抜きができる時間はあんまりないですけど、とにかく3食必ず食べる。そこだけは、徹底して心掛けています」

自転車に乗って現れたのは、参政党からは県内唯一の候補となる新人の提坂大介さんです。

<参政・新人 提坂大介候補>

「国民の負担を下げたいんです。だから、スローガンを決めました。税金を下げたい、税金をさげさか、国民の負担を下げたい、負担をさげさかです。税金さげさか負担をさげさか」

消費税の減税、撤廃を訴える提坂さん。島田市議を任期途中で辞職し、初めて国政選挙に挑みました。街頭演説の様子をSNS配信するなど「空中戦」を展開する提坂さんですが、自転車もフル稼働の選挙戦となります。

<参政・新人 提坂大介候補>

Q. 自転車の理由は?

「やっぱり顔が見えたほうがいいと思うので、車より自転車の方が見えるじゃないですか。ひざ次第で。俺の左ひざもってくれという感じで。すみません」

静岡2区の地域課題となっているのは、国も巻き込む「リニア問題」です。2024年5月の知事交代以降、ボーリング調査を認めるなど局面は変わり始めましたが、まだ着地点はみえないままです。候補者のスタンスも、異なります。

<自民・前職 井林辰憲候補>

「科学的、技術的にちゃんと議論を積み重ねていくことが一番だと思っています。いたずらに不安を煽ることをいま政治がすべきではないと」

<立憲・新人 鈴木岳幸候補>

「リニア自体は賛成です。電車も好きですし、旅行も好きですので。ただ、この地域はみんな大井川の水で生きていますから。私も生まれも育ちも大井川の水で生きていますから。その水だけはちゃんと守った上で、通すことは賛成したい」

<参政・新人 提坂大介候補>

「僕だって本当にいいものなのか、わるいものなのか、それも正直言って分からないです。市議会議員だった僕ですら分からない状態なので今は反対せざるを得ないかなと」

<LIVEしずおか 水野涼子キャスター>

静岡2区を取材する河田記者です。

<河田太一平記者>

沿岸部から山間部を抱える選挙区ですが、台風10号の際は焼津市で大規模な冠水被害があったり、島田市や川根本町では台風発生時に土砂崩れや道路の崩落が起きたりするなど、防災対策やインフラ整備が課題です。

高齢化が進む山間部では災害時の孤立対策が重要で、自治体と国の連携は今後さらにポイントになってくると感じます。

<LIVEしずおか 水野涼子キャスター>

三つ巴の戦いとなりましたが、どこが焦点になりそうですか?

<河田太一平記者>

この3人は初めての顔合わせとなります。

井林候補は、国交省出身で内閣府副大臣を務めるなどキャリアを重ねていて、4期目がどう評価されるのか注目されます。

一方、立憲の鈴木候補は演説で「庶民」という言葉を強調し、有権者に近い姿勢を打ち出して共感を得る狙いです。

参政党・新人提坂候補は消費税の減税やリニア反対などを訴え、他の候補との差別化を図り票を取り込もうとしています。