タイ中銀、予想外の0.25%利下げ 景気下支えへ

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[バンコク 16日 ロイター] - タイ中央銀行は16日、政策金利の翌日物レポ金利を予想外に引き下げた。インフレ率は目標を下回っており、低迷する経済を下支えするために政府は以前から利下げを求めていた。

政策金利は2023年9月以来の高水準だった2.50%から25ベーシスポイント(bp)引き下げ、2.25%とした。決定は5対2だった。

ロイターが調査した28人のエコノミストのうち、25bpの利下げを予想していたのは4人。24人は現状維持を見込んでいた。

タイ中銀が前回政策を変更したのは昨年9月で、25pの利上げを行った。

中銀は、今回の利下げは家計債務の対国内総生産(GDP)比の低下プロセスを妨げることなく、債務負担を軽減するのに役立つとした。

パンテオン・マクロエコノミクスのチーフ新興アジア・エコノミスト、ミゲル・チャンコ氏は「バーツ高が急速に進んでいることから、この数カ月の間に利下げの可能性が高まっていた」と述べ、12月の追加利下げを予想した。

中銀は2024年の経済成長率見通しを従来の2.6%から2.7%に引き上げた。25年は3.0%から2.9%に引き下げた。

今年の総合インフレ率予想を0.6%から0.5%に引き下げた。これは目標の1─3%を下回る。

タイ経済は、家計債務と借り入れコストの高さ、輸出の低迷に直面し、東南アジアの他の諸国と比べてさえない。

6月時点で、タイの家計債務は16兆3000億バーツ(約4889億ドル)とアジアで最も高い水準にあり、対GDPで89.6%に達する。

次回の金利見直しは12月18日。