[10.15 W杯最終予選 日本 1-1 オーストラリア 埼玉]

 北中米W杯最終予選における日本代表の快進撃を担っていた攻撃的ウイングバックが、オーストラリアの5バックに封じられた。右ウイングバックで先発したMF堂安律(フライブルク)は失点直後の後半17分で途中交代。「チームとして不完全燃焼だし、個人としても不完全燃焼の試合だった」と振り返った。

 最終予選初戦の中国戦(○7-0)と同じく、右ウイングバックに堂安、右シャドーにMF久保建英のレフティコンビを並べたオーストラリア戦の日本代表。ところが中国戦とは異なり、2人がポジションチェンジを繰り返すサイドの打開策がオーストラリア守備陣に対策され、有効な攻撃回数よりもボールロスト数が上回る苦しい展開となった。

「なかなか僕たちがやりたい崩しをさせてもらえなかった。相手が戦術的に守ってきた」。そう振り返った堂安は、相手の入念な日本分析を感じながらプレーしていたという。

「縦パスが有効的に入っていなかったので、(上田)綺世が少し孤立していたし、僕もタケ(久保)と入れ替わりながらやったけど、それも分析されているような感じがあった。タケの1対1も相手は2人目のカバーがいたし、(三笘)薫くんもそうだった。またクロスもあれだけ高いのを並べられると、普通に上げたら跳ね返されるので、あそこでのアイデアも少なかった。全体的に不完全燃焼の試合だった」

 停滞した時間帯には堂安らが最終ライン裏へのフリーランを試みたが、後方の選手たちはショートパスによるビルドアップを選択。ロングフィードはほとんど出てこなかった。「もっと背後に行くべきだったし、僕も何回か走ったけど、出てこなかったのでやめたのも悪かった。コーナーフラッグらへんに蹴ってくれると押し込めるので、そのイメージで背後を取ろうと思ったけど、チームとして共有できなかった」

 そう話す堂安は「ボールを持つことにフォーカスしすぎたかなというのがある。あくまでも点を取るスポーツなので、ゴールにゴールにもっと向かうべきだと思う」とチームの課題も指摘。1-1という結果には「最終予選は結果が求められる中、相手に勝ち点3を渡さないのは良かった」と前向きな言葉も口にしたが、表情は晴れなかった。

(取材・文 竹内達也)