交通事故や、あおり運転などの交通トラブルの証拠として普及が進むドライブレコーダー。

普及の一方で、SDカードが原因となるエラーが自動車整備の現場で見つかるなどトラブルが相次いでいます。何に注意すべきか、現場を取材しました。

搭載率は2台に1つ…一方でエラーも散見

「お預かりした車両で、実はドライブレコーダーのエラーが出ているというのはよく散見します」こう話すのは、石川県小松市で自動車の販売や整備などを行うヒラシマの永井宏明サービス事業部長です。

このところ、点検中にドライブレコーダーのエラーを見つけることが多く、永井さんはエラーの種類によっては、最悪の場合、いざという時に録画されない事もあると警鐘を鳴らします。

国土交通省が2020年に行った調査によりますと、ドライブレコーダーの搭載率は53.8%と半分を超え、交通事故に遭った際の客観的証拠として重宝されています。

そのなかで散見するドライブレコーダーのエラー。

永井部長は、特に、数年使っているドライブレコーダーで、SDカードが原因となるエラーをよく見かけると話します。

原因はSDカード…自分で“間違った交換”をする人も

永井部長「SDカードのエラーという表示が出ていたり、警告音がなっていたり。また、その警告が出ていることは(ドライバーも)気が付いているんですけど、走行には支障が出ていないので、『何の事だろう』と思いながら運転されている方が非常に多い」

SDカードによるエラーについて、国土交通省や国民生活センターでは「SDカードには寿命がある」として定期的に確認するよう呼びかけています。

しかし、SDカードは家電量販店などでも購入できるとあって自分でカードを交換したことがエラーにつながることもあります。

永井部長「お客様自身も良く分かっていて、SDカードの容量が多い物がいいと知識があるつもりで交換されるんですけど、それが裏目に出ることがある」

点検中にエラーを発見した永井さんが調べると、SDカードの容量が大きすぎて本体が対応できないSDカードが入っていたということです。

また、機種によっては使えないSDカードもあるため、交換作業は整備士に任せるのも一つの方法です。

永井部長「出来れば僕らが見させていただく中で、『カードは定期的に交換された方がいいですよ』とか『こちらのカードの方が安心ですよ』というのもお伝えすべきかなと思う」

「交換の必要性を知らなかった」2割弱の整備士と回答

一方で、SDカードの交換について整備士の間で認知度に差があるのも実情です。石川県と富山県の自動車業界の関係者が集うイベントでのアンケートでは、SDカードの交換の必要性について19.4%が知らなかったと回答。

さらに、SDカードには写真や動画といった用途ごとに製品があることについては、37.7%が知らないと回答しました。

県内の自動車業界の関係者は車検ごとの交換を目安にするのが良いと話すほか、永井部長も「SDカードは交換が必要ということをドライバーも知ってほしい」と話します。

永井部長「本来、SDカードの事はもっともっと認知されて宣伝された方がいいと思いますし、一助になるなら僕らはお話していきたい」

いざという時に「撮れていなかった」という事にならないように…。ドライブレコーダーも定期的に点検することが大切です。