フルトン、今度は名手フィゲロアと再戦へ 王座挑戦に期待強まる一方で元世界王者は苦言「もうだめだ。彼はイノウエに壊された」

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カストロに苦戦の末に勝利していたフルトン。(C)Getty Images

 ふたたび王座へ――。プロボクシング元WBC、WBO世界スーパーバンタム級王者で現WBA世界フェザー級2位のスティーブン・フルトン(米国)は、現階級でのタイトル奪取を虎視眈々と狙っている。

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 去る9月14日(現地時間)に米ラスベガスのT-モバイル・アリーナでWBA世界同級5位カルロス・カストロ(米国)と対峙したフルトンは、5回に右ストレートを浴びてダウンを喫しながらも、僅差の判定(2-1)で辛勝。昨年7月に井上尚弥(大橋)に8回TKO負けを喫して以来のリングで何とか勝利をもぎ取った。

 完全復活を印象付けるまでにはいかなかった。それでも試合後に「フェザー級でいける手応えはある」と語ったフルトンは、新階級での王座戦に向けて着実に歩みを進めている。現地時間10月10日には、米誌『The Ring』が12月14日に21年11月にWBC・WBO世界スーパーバンタム級王座統一戦で対戦していたブランドン・フィゲロア(米国)とのリマッチに臨む可能性を報じた。

 前回対戦では12回を戦って判定勝ち(2-0)を収めていたフルトン。仮に再戦が正式発表となれば、フィゲロアも直近3戦無敗(2KO)と調子を上げているだけに、勝者になれば、タイトルマッチを引き寄せるのは間違いない。

 もっとも、カストロ戦の結果をふまえてフェザー級でのフルトンの苦戦を予想する声は小さくない。世界2階級制覇王者ティモシー・ブラッドリー氏(米国)は、米ボクシング専門ポッドキャスト番組『Pro Box TV』において「フルトンはもうだめだ。腑抜け状態だね」とキッパリ。「(カストロ戦も)なんとか耐えたけど、ダウンもしていた。彼はイノウエに壊されたと思うね」と辛辣な言葉を並べた。

 歯に衣着せぬ解説がカルト的な人気を集めるブラッドリー氏。それだけに今回の辛辣な意見もパフォーマンス的な要素は多分にある。とはいえ、ダウンを喫したカストロ戦以降に多くのメディアで「フルトンは顎が弱くなった」と論じられているのは事実ではある。ゆえにフィゲロア戦が実現した際には、「完勝」が求められるのは間違いない。

 将来的な井上との再戦も囁かれるフルトン。それだけに今後の動静も興味深く注目したい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]