韓国中銀が0.25%利下げ、インフレ鈍化で成長支援 追加緩和示唆

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Cynthia Kim Jihoon Lee

[ソウル 11日 ロイター] - 韓国銀行(中央銀行)は11日、政策金利を0.25%ポイント引き下げ、3.25%とした。利下げは4年半ぶりで、一段の引き下げ余地があることを示唆した。

インフレ率が目標の2%を下回る中、インフレ抑制から景気支援に政策の軸足をシフトさせた。

ロイターのエコノミスト調査では37人中34人が利下げを予想していた。

決定は6対1だった。李昌永総裁は記者会見で「金融の安定が引き続き重要な政策上の検討事項となるため、(今回の決定は)タカ派的な利下げと解釈できる」と解説した。

「現在の状況からすると、(政策金利は)どのモデルでも中立金利を上回っており、さらなる引き下げの余地がある」との認識を示した。

次回11月28日の会合で追加利下げが行われるかとの質問に対し、具体的な指針は示さなかったが、理事会メンバー7人のうち6人が今後3カ月金利を据え置くことを支持していると述べた。

政策発表を受け、ウォンは対ドルで上昇した。

中銀は声明で「緩やかな成長傾向は続くだろうが、国内総生産(GDP)成長率の今後の道筋に関する不確実性が高まっている」と指摘した。

韓国のGDPは第2・四半期に減少。個人消費が落ち込んでおり、9月の消費者物価指数(CPI)上昇率は中銀の目標を下回った。

住宅市場の過熱と家計債務の増加を巡る懸念が、政策転換を遅らせていたが、ここ数週間の取引鈍化を受け、政策当局者は成長促進に焦点を当てる余地を得た。

アナリストは、不動産価格抑制と家計債務の増加が依然として考慮すべき重要事項となっており、中銀は追加利下げに時間をかけるだろうと指摘する。

ユナイテッド・オーバーシーズ・バンクのアナリスト、ホー・ウエイ・チェン氏は「マクロ経済的には利下げに向けた条件がより明確になりつつあるが、中銀は金融の安定性を考慮し、特に利下げが不動産市場を押し上げる可能性への懸念から慎重に緩和を進めている」と語った。

同氏は0.25%の追加利下げが来年第1・四半期になると予想している。

INGのシニアエコノミスト、カン・ミンジュ氏は顧客向けメモで「中銀は住宅債務が増加している中で金利を引き下げるリスクを十分に認識しているようだ。そのため一段の緩和策を講じるまでにはしばらく時間がかかるだろう」と分析した。追加利下げは2025年3月との見方を示した。