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 ◇セ・リーグ 巨人8―1広島(2024年9月28日 マツダ)

 巨人の小林はマウンドの大勢に駆け寄り、抱き合った。自身が先発マスクをかぶった一戦で4年ぶりのV奪回。「本当にうれしいですし、ホッとしています。年齢も上の方ですし、やっぱり今年の優勝は特別な気持ち」。端正な顔立ちの35歳に爽やかな笑みが広がった。

 同学年の菅野が登板した全24試合でバッテリーを組んだ。この日も「絶対勝つぞっていう気持ちで智之と一緒に臨みました」とあうんの呼吸でリードし、8回1失点に導いた。

 バットでも魅せた。2―1の6回2死一、三塁。直前で門脇が申告敬遠された。「絶対打ってやるぞと。ああいう場面で打てるように練習している」。右前適時打を放つと、右手で力強くガッツポーズ。「世界の小林」の快打で、ナインは一段と盛り上がった。

 今季は大城卓、岸田と捕手3人で投手陣を引っ張ってきた。チーム捕手最年長の巧みな配球が随所で光った。“胴上げ捕手”に「巡り合わせ。いいタイミングで回ってきただけ」と謙遜したが、野球の神様が最後にご褒美をくれた。(青森 正宣)