「この秘密を知ったら消されるぞ…」日清『極上カップヌードル』“松茸味”なのにマツタケ不使用と判明でツッコミ相次ぐ! メーカーに問い合わせてみると…

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現在販売中の日清食品のカップ麺「特上 カップヌードル」シリーズの原材料に、ネット上でツッコミが起こっている。商品名に記載されている食材が、なんと商品に使用されていないというのだ。

【画像】“ほぼ松茸”の実物はコチラ 見た目はエリンギだが…

詐欺の匂いがする。※詐欺とは言ってない」

9月2日より全国で販売がスタートした「特上 カップヌードル」。

いつもよりワンランク上のスープと具材が味わえる同シリーズは、昨年発売されると大好評を博し、今年もそのシリーズの第2弾としてリリースされることになった。

ラインナップは「松茸香る 特上カップヌードル」「トリュフ香る 特上濃厚バターカレー」「バターとウニの味わい贅沢シーフード」「完熟トマトの特上レッドホットチリトマト」の4種。

一番シンプルな「松茸香る 特上カップヌードル」は、「特製松茸風味オイル」を加えて仕上げる、上品で奥深い味わいのスープが特長とのことだ。

しかし商品に記載されている原材料の欄を見てみると、“松茸”の文字は見当たらず、アレルギー物質が表示されている欄を見ると、“松茸”が入っていないとなっている。

つまり、“松茸香る”とは書いてあるものの、松茸は不使用というわけだ。

このトンチのような商品をめぐっては、SNS上で〈「松茸香る!」ただし松茸は入ってない! 一休さんかな?〉〈ポジティブに考えれば松茸アレルギーの人でも食べれちゃう松茸料理という事ですね!(風味だけども)〉

〈永谷園の松茸のお吸い物と一緒ですね〉〈この秘密を知ったら謎肉に加工されて消されるぞ…!〉〈詐欺の匂いがする。※詐欺とは言ってない〉といったツッコミが起こってしまった。

ただこの商品、よく見るとパッケージに写っている松茸の写真の横に“ほぼ松茸”入りと書いてあり、さらに小さく注意書きで「※画像はイメージです」「※松茸風の具材は味付きエリンギです」「※松茸香料使用」と記されている。

ちなみにこの“ほぼ松茸”とは、まるで松茸のような食感と風味を再現した“味付きエリンギ”だという。

日清食品に問い合わせてみると…

しかしいったいなぜ、“ほぼ松茸”などというややこしい商品を作るに至ったのか。

日清に開発の裏話などについて質問を送ると、日清食品HD広報部の担当者から以下のような回答があった。

「『特上 カップヌードル』は、“いつもよりワンランク上のスープと具材が味わえる”ことをコンセプトにした商品です。

お客さまに“特上”を感じていただける素材として松茸が候補にあがりましたが、本物の松茸を使用するのはコスト的に難しいので、まるで松茸のような食感と風味を再現した“ほぼ松茸”を開発することにしました。

食べやすいサイズでありながら、松茸らしい食感や味わいを持たせることに最も苦労しました」

“ほぼ〇〇”といえば、お正月の高視聴率番組『芸能人格付けチェック』(テレビ朝日系)によく登場し、美食家の芸能人の舌を見事に欺いている。

こちらの番組では、水産練製品・惣菜の製造販売を手掛ける「カネテツデリカフーズ」の商品がいつも使われているが、今回の“ほぼ松茸”は、日清がこの極上カップヌードルのために独自開発したものだそうだ。

実際にこのカップ麺を食べてみると、味のベースは「カップヌードル」の醬油という風味だが、確かに「特製松茸風味オイル」を入れることによって、一気に松茸っぽい匂いが充満し、味にも上品さが生まれている。

また、“ほぼ松茸”こと味付きエリンギに関しては、定番具材の“謎肉”やエビほどに激しい主張はしてこないものの、口の中で麺やほかの具材と混ざり合うことによって、和風味になったスープとのバランスを保ってくれているように思える。

ネット上で評判を見ても〈変に凝らずにシンプルに松茸の匂いがするカップヌードルで美味かった〉〈ホントに松茸の匂いがする。というかこれ永谷園のお吸い物の匂いだ…〉〈予想以上にちゃんと松茸が香ってる…!〉〈想像以上に松茸の香りが強すぎて翌朝まで家の中松茸なの企業努力すごすぎる〉と上々のようだ。

同シリーズには“ほぼウニ”を使った商品も

またほかにも、今回のシリーズの一つ「バターとウニの味わい贅沢シーフード」には、ウニの食感や味わいを再現した魚肉練り製品“ほぼウニ”という具材が入っている。

しかしこちらは、ウニを8.5%配合した魚肉練り製品で、しっかりとウニが使われているという。

それぞれ値段は定価で259円(税別)。スタンダードな「カップヌードル」は定価で236円(税別)なので、極上と言いつつも、実は値段はそれほど変わらない。

松茸を使用していない“ほぼ松茸”は、わずか20円ちょっとで極上気分を味わわせてくれるための、企業努力のたまものだったようだ。

取材・文・撮影/集英社オンライン編集部