6回1死満塁、内野フライに倒れた坂本=宇那木健一撮影

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 阪神1−0巨人(セ・リーグ=22日)――阪神は三回、中野の適時打で先制。

 零封リレーで守り切った。才木が粘って13勝目。巨人打線は再三の好機で決定打が出ず、完投した菅野を援護できなかった。

 逆転優勝を狙う阪神との天王山で、巨人が零封負けを喫した。好投手の才木を何度も攻め立てたが、あと一本が出ない。最少失点で踏みとどまっていた菅野を、最後まで援護できなかった。

 序盤から拙攻が続いたが、六回に絶好機が訪れる。先頭の浅野が二塁打で出て、吉川、岡本和が連続四球。無死満塁となった。しかし、長野は投飛に倒れ、続く坂本も直球に押し込まれて二飛を打ち上げ、力なく首をひねった。代打・大城卓も凡退し、窮地を脱した甲子園の阪神ファンから、喝采が湧き起こった。

 優勝争いの佳境で、阿部監督は「困った時のベテラン」と、豊富な経験値を持つ選手たちを頼りにしている。この日も、5番に39歳の長野を8月13日以来のスタメン起用。6番には坂本を配し、優勝争いを左右する大一番に臨んだ。

 六回にチャンスを逸した直後の守備から、指揮官は坂本をベンチに下げた。二、四回の好機でも凡退していたベテランを交代した理由について、「打順の兼ね合いとかもあった」と説明したが、精彩を欠いた打席も判断に影響しただろう。七回に菅野の女房役・小林に代打を送るなど、最後まで攻撃的な采配を振るったが、1点が遠かった。

 2安打を放った長野は「それより(六回の)満塁でね……。力不足です」と話し、坂本は「(チームに)申し訳ないです」と険しい表情で球場を後にした。23日は、1ゲーム差に迫られた阪神とのレギュラーシーズン最終戦。ライバルを勢いづかせるわけにはいかない。(平山一有)

 巨人・阿部監督「負けは負けだ。(菅野は)素晴らしい投球。最後までいくと言ってくれたんで、本当に頼もしく思った。(切り替えて)今日は今日、あしたはあしたでいきます」