主演ドラマ「終りに見た街」の記者会見で、客席の監督志望の学生にこびを売る大泉洋(カメラ・奥津 友希乃)

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 俳優の大泉洋が20日、主演を務めるテレビ朝日系ドラマ「終りに見た街」(21日・後9時)の記者会見に出席した。

 山田太一氏の同名小説が原作で、主人公の脚本家が、太平洋戦争真っただ中の昭和19年にタイムスリップ。戦時下の過酷な現実を目の当たりにする。これまで1982年に細川俊之氏、05年に中井貴一主演で映像化しており、3度目のドラマ化となる。

 大泉は、昭和のお茶の間を再現したセットに登場。脚本を務める宮藤官九郎氏の作品は意外にも初出演となる。「北海道から出てきたTEAM NACSのことなんて、よく思ってなかったんじゃないんですか。バカにされてたと思いますけどね」と毒づきがならも、「僕は宮藤さんの作品や舞台は憧れのように見ていましたけどね」と初タッグを喜んだ。

 戦争をテーマとしていることから「扱うのに覚悟もいるし、苦労もあるだろうなと思いましたけど、戦争を知らない世代が多いからこそ伝えていかなきゃいけない」との思いで撮影に挑んだことを告白。「宮藤さんの脚本により、重いだけではなくクスクスと面白い設定や、現代社会を風刺しているようなシーンもある。その中でも“戦争を受け入れていってしまう人間の怖さみたいなもの”も描かれていて考えさせられるなと」と本作の奥深さを語った。

 会見には一般の大学生らも招待された。映像制作スタッフや監督を目指す学生に、大泉は「監督になられた際はぜひ、よろしくお願いいたします!」と頭を下げて会場を笑わせた。

 将来ある若者たちからの質問に答えながら、自身の学生時代を「僕は小学校6年生までは文集に“ハリウッドスター”と夢を書いたけど、中学校1年生の時には“NTTの社員”って書くほど結構手堅い人間で」と告白。「だけど皆さんにはいろいろな経験を積んでほしいと思いますし、小さくまとまらずにどんどん冒険してほしい」と真剣なまなざしでエールを送った。