秘匿性の高い通信アプリに隠語を投稿し…(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

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 大阪・西成区の焼き肉店店主は、店の看板に書かれた「安いうまいホルモン」は出さず、「ドライブスルー方式」で客に覚醒剤を売りさばいていた。

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 インドネシアの外国人留学生らに覚醒剤を密売したとして、大阪府警薬物対策課は大阪市西成区天下茶屋北の焼き肉店「肉の松ちゃん」の経営者、松田大樹(39)と梶野了(44)両被告(麻薬特例法違反などの罪で起訴)を覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕した。

 2人は秘匿性の高い通信アプリ・テレグラムに「アイス売ります」「手押しします」などと隠語を使って投稿。客に店まで来させ、店先や店内でブツを手渡していた。

「『手押し』いうのは直接、覚醒剤を手渡しするいうこと。留学生は仲間数人と覚醒剤を回し吸いしとって、友人から『<またFucker>いうサイトに連絡して焼き肉屋に行ったら買えるから』と教えられ、0.3グラムを2万4000円で購入しとった」(捜査事情通)

 留学生に覚醒剤を買いに行かせた別の留学生をパクり、事情を聴いたところ、「焼き肉店から入手した」と供述。その後の調べで、車で店に来た客が運転席の窓を開け、店主とやりとりしている現場を確認した。

「客は『着きました』とメッセージを送り、それに合わせ、店主が店から出てきて覚醒剤の入った封筒を渡し、現金を受け取っとった。ほとんど会話は交わさず、ホンマ短時間やった。客は日本人の方が多く、20〜60代と幅広い年齢層で女も1人おった。店や自宅など8カ所ガサをし、西成区内の倉庫から約360グラム、末端価格2370万円相当の覚醒剤が見つかった」(捜査事情通)

■焼き肉店は「隠れ蓑」

 焼き肉店は飛田新地の中心部から徒歩5分ほどのところにある。近隣住民がこう言う。

「今の店になって2年ぐらいやけど、お客さんが入ってるのを見たことないわ。私からしたらコレはカムフラージュやな、いうのは分かる。シャッターを塗り替えたり、<心を込めて準備中>いうプレートを掲げとったけど、そう書いてるだけ。普通やったら営業時間が来たら店を開けるのに、ほとんどシャッターが閉まったまま。人が来るときだけ開けるいう感じやった」

 調べに対し、売人はダンマリを続けているそうだが、「宅配」はしていなかったのだろうか。