[8.31 J1第29節 町田 2-2 浦和 国立]

　不用意なファウルが大きな代償を払った。

　浦和レッズは2-1と勝ち越した直後の後半アディショナルタイム3分、カウンターからFW松尾佑介が中央を猛スピードで駆け上がり、そのまま敵陣に切れ込むと、町田GK谷晃生をかわしてシュート。ボールはゴールマウスに吸い込まれたが、ペナルティエリア内でカバーに入ろうとした相手選手をFW二田理央が引っ張り倒したため、ゴールが認められなかった。

　その後、浦和は後半アディショナルタイム8分、パワープレーからFWエリキに同点ゴールを献上。ファウルがなければ3-1で終わっていたはずの試合は2-2の引き分けに終わり、勝ち点2を落とした。

　試合後、憔悴した様子で取材エリアに姿を見せた二田は「本当に余計なことをしてしまった。チームが先制点を決めて流れが良かった中、自分がああいうプレーをしてしまって、ゲームを壊してしまった」と反省の弁。「あれが入っていれば試合の時間的にも3-1で勝てていたんじゃないかと思う。自分のああいうプレーのせいでこうなってしまって、チームに申し訳ない」とうつむいた。

　二田としては、松尾のシュートがGKに阻まれた場合に備え、こぼれ球に詰めるポジショニングを取るための狙いがあった。

「佑介くんがファーに蹴って、キーパーからこぼれたのを狙おうと思っていて、相手の外側に走ろうと思って、横にいたので手を出してしまった」。

　結果的には松尾のシュートがそのままネットを揺らししたため、不要なファウルで得点を阻んだ形に。二田は「みんな切り替えしかないと言ってくれた。本当に反省して、次の試合ではチャンスをいただけたらチームのために走って、今までと変わらずにチームのために戦いたい」と奮起を誓った。

(取材・文　竹内達也)