「若手の前で恥ずかしくないプレーをしたい」西武一筋23年の大ベテラン栗山巧、CS進出消滅の翌日に今季1号逆転V2ラン
◆西武2―1日本ハム（31日、ベルーナドーム）
まさに起死回生の一発だった。1点を追う8回2死三塁、代打で打席に入った西武の栗山巧が初球の高めの速球を振り抜くと打球は高々と上がり、右翼席最前列に吸い込まれた。「高く上がったので何とか（柵を）越えてくれと思った」。逆転の今季1号2ラン。自身通算6本目の代打弾に本拠地は大歓声に包まれた。
8月30日の敗戦でCS進出の可能性が完全に消えた。その中でも栗山は「上位チームの集中力、勝負強さなどを上回って勝っていくことが来季につながる。自分もそう思い、レギュラーを狙っていく若手の前で恥ずかしくないプレーをしたい」と自らを鼓舞して打席に向かった。
渡辺監督代行は「1打席にかけるベテランの集中力はさすが。打ち損じることなく一発で仕留めた」と頭を下げた。
これで球団3人目となる20年連続の本塁打をマークした。9月3日に41歳の誕生日を迎えるレオ一筋23年目のベテランは「優勝争いの中で9月を迎えられない申し訳なさと悔しさがある。でも、明日も試合があるので全力で勝利を目指したい」。衰え知らずの体でチームを支えていく。（安田栄治）
