大阪〜奈良の“第三阪奈道路”プロジェクトが進行中!? 橋脚ニョキニョキ! 重要幹線なのに狭い「国道163号」を4車線化「清滝生駒道路」「精華拡幅」の工事状況は

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貴重な関西の東西軸

 大阪府と奈良県を高規格でつなぐ「清滝生駒道路」そして「精華拡幅」の工事が進行中です。
 
 完成すればどう便利になるのでしょうか。また工事はどこまで進んでいるのでしょうか。

ことし春に開通した国道163号「精華拡幅」の乾谷工区(画像:国土交通省)。

 国道163号は、門真市や四条畷市など北河内エリアから、木津を経由し、そこから名阪国道や三重県方面へ抜ける貴重な東西軸となっています。

【画像】超便利!? これが「清滝生駒道路」「精華拡幅」ルートと工事状況です(30枚以上)

 大阪府〜奈良県は急峻な生駒山地が立ちはだかっており、東西ネットワークは限られています。大東市から生駒市街へ峠越えする「阪奈道路」や、石切から奈良市内へトンネルで抜ける「第二阪奈道路」に対し、国道163号は多くの箇所でまだ昔ながらの2車線道路が残っていました。

 そこで、両府県ならびに京都府南端部をつなぐ部分を4車線高規格化する事業が、「清滝生駒道路」「精華拡幅」です。

 2014年の「清滝第一・第二トンネル」の開通をはじめ、四条畷市側の4km弱はすでに4車線化完成済みで、山岳地帯の通行は飛躍的に走りやすくなりました。

 その東側、下田原ランプから高架道路を東進させていく工事が、最盛期を迎えています。天野川と国道168号、その先で県道・枚方大和郡山線をまたぐ高架も、現地では橋脚が1本ずつ次々と出来上がっていく状況となっています。まだ橋桁架設の動きは始まっていません。京都府境に近い鹿畑工区では比較的時間のかからない現道拡幅部のため、工事着手はもう少し先と見られます。

 清滝生駒道路が完成すれば、北田原大橋や高山大橋などの信号待ちが解消され、ルートも狭いクネクネ状態ではなくなり、現在よりも12分の短縮となる予想。四条畷市内の4車線化やトンネルが出来る前と比べれば、開通効果は22分にものぼるといいます。

 その先の京都府内の「精華拡幅」では、2023年5月に、府道奈良精華線と交差し、事故率が府平均の4倍にも達していた「乾谷交差点」を、信号ゼロで短絡するルートが開通。これにより、朝夕を中心とする信号待ち渋滞が解消されました。

 その周囲でも、4車線拡幅工事が進行中。2024年8月時点では、「清滝生駒道路」の延長線上で現道の国道163号をまたいでいく高架の橋脚が、つぎつぎと姿を現しています。

 大阪から三重までを一本でつなぐ重要幹線でありながら、高規格化が立ち遅れてきた国道163号。「面倒な峠越え」から、走りやすい中長距離ネットワーク道路に、生まれ変わろうとしています。