広瀬めぐみ参議院議員

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 広瀬めぐみ参議院議員(58)が、8月15日、秘書給与を国から詐取していた疑惑を認めて議員辞職した。検察は広瀬氏を逮捕せず「在宅起訴」する方針だという。

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あっさり白旗を上げた理由は「逮捕を免れたいから」

 7月30日の家宅捜索から半月。すでに自民党を離党していた広瀬氏は、議員辞職すると同時に次のようなコメントを出した。

「(公設第二秘書の)秘書給与から資金提供を受けたことは事実であり、軽率な行為であったと反省している。議員としての職責を全うすることは適切ではないと判断し議員を辞職することとした。支援者や国民に対して心よりおわび申し上げる」

広瀬めぐみ参議院議員

 辞職する2日前の13日、東京地検特捜部から任意の事情聴取を受けた時にはすでに「公設第二秘書に勤務実態がなかった」と罪を認める供述をしていたという。

特捜部は家宅捜索前には関係者から証拠となる音声やLINEを押収していた。当初は広瀬氏を庇う動きを見せていた当事者の秘書たちも、任意の聴取に『広瀬氏から指示を受けていた』と完落ちしていました」(司法記者)

 すでに“詰んでいた”わけだが、あっさり白旗を上げたのには狙いがある。

「議員辞職したという情状を訴え、逮捕を免れたいのでしょう」(同)

専門家は「罪証隠滅のおそれがないとは言えない」

 驚くべきは検察が“手打ち”しそうだというのだ。

「7月に女性初の検事総長に就任したばかりの畝本直美氏は逮捕に後ろ向きで、在宅起訴する方針を固めているとのことです。表向きは逮捕要件となる『逃亡のおそれ』『罪証隠滅のおそれ』がないという判断ですが、実際はこれから総裁選を控える政権与党への配慮があると思われます」(同)

 だが、広瀬氏にかかっている「詐欺」という容疑は決して軽いものではない。元テレビ朝日法務部長の西脇亨輔弁護士はこう語る。

詐欺罪は10年以下の懲役で罰金刑はありません。政治資金収支報告書の虚偽記載などと比べると刑ははるかに重く、『振り込め詐欺』などは初犯でも実刑がほとんどです。今回、広瀬氏が詐取した金額は数百万円に上ると言われていて、一般人ならばほぼ100%逮捕される事案と言ってよいでしょう」

 加えて、罪証隠滅のおそれがないとは決して言えないのだ。理由はすでに彼女が国民を欺いていたからである。

現場は猛反発

 今回の事件は今年3月に「週刊新潮」が疑惑を報じたことに端を発しているが、広瀬氏は週刊新潮の取材に「事実無根」と回答し、報道後はホームページに、当該秘書には勤務実態があったと堂々と「嘘」を載せていた。

〈平日は主として遠野市に在住してリモートワークで支援者の方々のリスト作成・更新作業や祝文作成などをし、土日は盛岡に在住して、上記のような作業のほか、盛岡事務所で事務作業をしたり、私の駅などへの送迎をしてもらったりしました〉(広瀬氏のホームページより)

「すでに証拠隠滅に動いていたと受け取れる言動であり、今後も広瀬氏が元上司という立場から秘書らに口裏合わせを依頼する可能性がないとは言い切れません。しかも広瀬氏が弁護士で、公判での闘い方を熟知している人物であることも重要なポイントです」(前出・西脇氏)

“現場”の特捜部は上層部の方針に大きく反発しているという。

「数百万円の詐欺で逮捕しないなんて話にならない。裏金問題の時も上層部は根拠を明確にしないまま『4000万円以上』という線を引いて、3人の議員しか罪に問わなかった。弱腰すぎる」(検察関係者)

「政権の方ばかり向いている」

 畝本検事総長に対する批判も公然と出始めているという。

「彼女は法務行政ばかりやってきた人で捜査経験に乏しい。取調室で被疑者を追及した経験などほぼないのです。だから現場よりも政権の方ばかり向く。特殊詐欺で使いっ走りの“出し子”をバンバン逮捕しているというのに、同じ詐欺罪なのに元国会議員という理由で逮捕しないというのは不公平極まりないでしょう」(同)

 今月中には判断が下される見通しだというが、場合によっては国民から大きな反発が出そうだ。

デイリー新潮編集部