「Eurosport」の公式X(@eurosport)より

写真拡大

欧州のスポーツ専門放送局「Eurosport」の公式Xが2024年8月12日に公開したパリ五輪を記念する画像に、批判の声が集まっている。

40人のオリンピック選手らをコラージュした画像だが、アジア人は韓国代表の射撃選手1人しか掲載されていなかった。こうした対応に、「アジア人差別ではないか」とする声が寄せられた格好だ。

「地上最大のショー 我々は決してパリ2024を忘れない」

Eurosportは、世界59か国・20か国語で放送されているスポーツ専門放送局だ。ヨーロッパを中心に、オリンピック以外にもUEFAチャンピオンズリーグやダカール・ラリー、ツール・ド・フランスなど幅広いスポーツを中継している。

Eurosport公式Xアカウントは12日、パリ五輪の閉幕後に「The Greatest Show on Earth Paris 2024, we will never forget you(地上最大のショー 我々は決してパリ2024を忘れない)」などとするコメントとともに、40人のオリンピック選手らがコラージュされた画像を投稿した。

パリ五輪で陸上男子100メートルを制したアメリカ代表のノア・ライルズ選手や男子棒高跳びで世界記録を更新したスウェーデン代表のアルマンド・デュプランティス選手など今大会で活躍した選手が並ぶ中、閉会式に登場した俳優のトム・クルーズさんやラッパーのスヌープ・ドッグさんの姿もあった。

盛りだくさんな内容かと思われたが、アジア人選手は中央向かって左側に、韓国の射撃選手が1人掲載されているのみだ。

中央アジア・南アジアを含めても「無課金おじさん」として話題になったトルコ代表のユスフ・ディケチ選手(射撃)と、パキスタンのやり投げ選手の2人しかいなかった。

「パリは忘れないけどアジア人は忘れた、と」

パリ五輪でのメダル獲得数ランキングでは、金メダルの数ではアメリカと中国がともに40個で1位、日本が20個で2位。総獲得数でも中国は2位、日本も6位にランクインしている。

こうした中でポスターへのアジア人選手の掲載がなかったことについて、SNSでは「アジア人差別」「アジア人の透明化」だとする指摘が相次いだ。

日本でも、インフルエンサーが拡散するなどして注目を集め、「パリは忘れないけどアジア人は忘れた、と」「フランス人のアジアへのナチュラルな差別感情が遺憾なく発揮されてて笑ろえない。そりゃ誤審もするよなあ...」など、不快感を示す声が目立つ。

韓国大手紙も「ポスター論争」を報道

アジア人として唯一掲載されていた韓国の大手日刊新聞「中央日報」も14日、「中国と日本の選手がいないパリ五輪ポスターが論争に」として騒動を報じている。

英語圏のK-POPメディア「Koreaboo」も、「New "2024 Paris Olympic" Poster Slammed For Racism Against East Asians(『2024年パリオリンピック』の新ポスターが東アジア人に対する人種差別だと非難される)」と題した記事を公開。韓国のネットユーザー、いわゆる「ネチズン」らからの非難の声を紹介した。

「中国、日本、韓国といった東アジアの国々がメダル獲得数トップ10に入ったにもかかわらず、これらの国の選手が一人も含まれていないことにネットユーザーたちは反発している。特に、スヌープ・ドッグやトム・クルーズが出場選手でもないにもかかわらず、その中に入っていることを指摘する声が多かった」