大阪で16年ぶりの大規模個展『塩田千春 つながる私(アイ)』開催、無数の糸を張り巡らせたインスタレーションで「記憶」を可視化
9月14日(土)~12月1日(日)の期間、大阪中之島美術館にて、大阪では16年ぶりの大規模個展『塩田千春 つながる私(アイ)』が開催される。
塩田千春「巡る記憶」2022 年 写真:Sunhi Mang (c)JASPAR, Tokyo, 2024 and Chiharu Shiota
現在ベルリンを拠点として国際的に活躍する大阪出身の塩田千春。「生と死」という人間の根源的な問題に向き合い、作品を通じて「生きることとは何か」、「存在とは何か」を問い続けている。無数の糸を張り巡らせたインスタレーションは、場所や物に刻まれた人々の痕跡を「記憶」としてとらえ、それらを糸で編みこむことで「不在の中の存在」というテーマに向き合うもの。かたちのない、現実に不在である「記憶」を確かに存在するものとして可視化し、真実に触れようとしている。
塩田千春 「家から家」2022 年 写真:Sunhi Mang (c)JASPAR, Tokyo, 2024 and Chiharu Shiota
こうした「記憶」は自分以外のものとの「つながり」によって形成されている。同展覧会では、全世界的な感染症の蔓延を経験したことにより、否応なしに意識した他者との「つながり」に、3つの【アイ】-「私/I」、「目/EYE」、「愛/ai」を通じてのアプローチに挑戦する。塩田千春の代名詞ともいえる、糸を使ったインスタレーション作品は必見で、約1,700㎡、天井高6mの会場を舞台に、6点のインスタレーション作品を発表する予定。ほかにも絵画、ドローイングや立体作品、映像など多様な手法を用いた作品を展覧し、塩田千春の創作をみつめる。さらに一般募集していた「つながり」をテーマとして寄せられたメッセージを含むインスタレーション、その他の出品作品を通じて、たくさんのつながりに思いを巡らせる機会となる。
塩田千春「風景」1992 年 (c)JASPAR, Tokyo, 2024 and Chiharu Shiota
チケットはイープラスにて販売中。