お盆も近づき、各地で大小さまざまな夏祭りが開催される季節。では、海外ではどうなっているのでしょう。アメリカ・シアトルに住んで20年、子育てに奮闘するライターのNorikoさんに、「アメリカの夏祭り」について教えてもらいました。

アメリカ・シアトルでも夏祭りが開催

現在、パリ五輪でお祭り騒ぎですが、近所を見渡しても、いろんな夏祭りで盛り上がりを見せています。夏は晴天が毎日のように続く、ここシアトルでも、毎週末、どこかしらで夏祭りが行われています。

独立記念日の花火大会や戦闘機のアクロバット飛行、有名アーティストが参加する大型音楽フェスなど派手なものは別として、一般的なご当地フェスの内容はだいたい一緒。車を通行止めにした公道または大規模な駐車場などを会場に多くの露店が並び、アーティストの手づくり品、地元業者による商品を販売。コミュニティー活動や事業を案内する宣伝ブースも多数見られます。

特設ステージではローカルバンドの生演奏、地元グループのパフォーマンスや実演が披露され、空手や太鼓など、人気の日本文化が紹介されることも。

そのほか、トランポリン遊びができるバウンスハウス、フェイスペインティング、バルーンアート、工作コーナーといった子ども向けアクティビティーもそろいます。音楽隊やダンスチームほか、ユニークなコスチュームで地元の有志が街を練り歩くパレードもお約束。

「屋台グルメ」は、アメリカのフェスでも人気!

“屋台グルメ”はアメリカのフェスでもおなじみ。ただ、近年はフードトラックと呼ばれるキッチンカーでの販売が増えています。

こってりの揚げ物や激甘スイーツなど、アメリカらしい「ジャンク」な食べ物が減る一方、アジア、メキシコ、地中海、アフリカ、中東など国際色豊かなラインナップが目立ちます。

価格は年々上昇しており、ひとつ注文して20ドル(約3000円)ということも。屋台グルメのボリュームはそのままで、ひとつだけではおなかが膨れません。

さらに、コロナ流行時、テイクアウトでしか営業できない飲食店への寄付がてらの多めのチップが習慣となりましたが、それがそのまま定着。キッチンカーでも当然のように、支払時にチップ額を聞いてきます。

つまり、20ドルだと2割の4ドル(約600円)が上乗せ。昔は、ピザやホットドッグなど、食事のテイクアウトにチップを払うことは基本的になかったのに…。

悲しいかな、日本やアジアのように「チープな屋台グルメ食べ歩き」といかないのがアメリカ。お盆休み中など、久しぶりにハワイやロサンゼルス、ニューヨークなどアメリカ観光に出かけるという方はご注意ください。

わが家は、せっかくフェスに行ってもなにも買えず、ファストフード店で購入したバーガーを近くの公園で食べて帰る、なんてことも。ファストフードですら高価なご時世ですが、屋台グルメよりはまだ割安です。

日本の夏祭りでビックリしたこととは?

というわけで、日本で夏祭りに行くと、昔ながらの屋台から新顔まで、次はなにを買おうかと楽しくて仕方ありません。チョコバナナののぼりに、子ども時代の思い出がよみがえります。

昨年の夏、日本に帰省したときに驚いたのは、小学校で開催されていた夏祭りイベントのクオリティーの高さです。アメリカの小学校でも保護者ボランティアによる一般公開イベントはありましたが、手づくり感が強め。食事は選択肢がほぼなく、しかも業者任せでした。

それが日本ではどうでしょう。たまたま出かけたところがそうだったのかはわかりませんが、ビールに枝豆、焼き鳥、焼きそば、タコ焼き、カレーライス、おでん、冷やしキュウリ、かき氷と、保護者ボランティアが販売するのは、そのままビアガーデンが営業できるようなメニュー。数百円という価格帯で、アメリカで払うチップより安いくらいです。これはありがたい! 大変おいしくいただきました。

食べ物だけでなく、ヨーヨー釣りに金魚すくい、ダーツなどのゲームや景品も充実していて、子どもたちは大はしゃぎ。近所から参加する大人たちも思わず笑顔に。

コロナ明けから1年以上経ち、今年は花火大会、盆踊り大会と、日本の夏を満喫できる祭りがますます盛り上がりそうですね。うらやましい限りです。