ESSEonlineに掲載された記事のなかから、8月に読みたいベストヒット記事をピックアップ!

便利だと思って買った収納グッズが、じつは「片づかない原因」になっていることも。片づけの仕事でさまざまなおうちを訪れる機会が多いライフオーガナイザーの下村志保美さん(自身も50代)が、とくに50代以降は手放してほしい収納グッズについて教えてくれました。

※ 記事の初出は2023年8月。年齢など内容は執筆時の状況です。

元気な50代のうちに手放しておきたい「収納グッズ」3つ

片づかない原因になっている収納グッズの実例を3つご紹介します。ぜひご自宅の場合と比べてみてください。

●1:押し入れサイズの「衣装ケース」

押し入れのように奥行きのある収納場所は目一杯それを活用したくなります。その場合、奥行きが70cm前後の押し入れ用の衣装ケースを使うことに。

が、奥行き70cmの引き出しをフル活用しようとすると、それを引き出すために手前にも70cm+自分が入るスペースが必要になります。案外このスペースが取れないために引き出しをすべて出せず、結局奥のものは使われない、または奥になにが入っているのかわからない…ということになります。

またこれくらい大きな引き出しいっぱいにものを詰めると、重くなって引き出すことが億劫になることも。せっかくの収納がもったいないですよね。

押し入れの奥行きを生かしたいなら、奥行きが浅いタイプの収納ケースに買い替えましょう。季節ごとに前後を入れ替えるとか、奥は「使わないけど絶対に捨てない」という思い出のものを入れるスペースにしてみてはいかがでしょうか?

●2:中身がわからなくなる「見えない収納」

中が見えないタイプの収納グッズを使うと、ごちゃごちゃ感が払拭され、スッキリとした印象になります。実際この手の収納はずっと人気です。

しかしどんどん記憶力が衰えてくる50代以降、中が見えないとなにが入っているのかわからなくなったり、そもそも持っていることを忘れてしまったり…。「死蔵」や「重複買い」の原因になってしまいます。

じゃあ、ラベリングをすれば解決するのかというと、残念なことに50代は視力も衰えてきます。大きな文字でラベリングをするのも方法ですが、いっそのこと中になにが入っているのかパッとみてわかる透明な収納ケースを選んだ方が、50代以降には優しい収納になります。

●3:便利そうで、じつは「面倒な収納」

たとえば靴の収納量が2倍になるという便利な収納グッズ。
狭い玄関、ゲタ箱の救世主のようですが、普通に靴を並べるより、その靴を使いたいときにひと手間、しまうときにもうひと手間、そして掃除のときにはその収納グッズまで掃除しなくてはいけない手間が生まれます。

たくさん入ればその分湿気と汚れもたまりますから、靴が傷みやすくなる可能性も。

本当にそこまで手間をかけてまで靴をたくさん持っていたいのか?
靴を厳選したほうがラクではないのか?

今一度ご自身に問いかけてみてください。

じつは私もこのタイプの収納グッズを持っていましたが、使わないときに比べ棚板1段の高さが必要になり、棚板1枚分つまり1段分の靴収納量が減り、結果的に「2倍収納」にはなりませんでした。

●50代はシニア世代の準備期間

50代はまだまだ現役で働く世代で、「老後」ということはまだ先のように感じられます。
ただ逆にいうとだからこそ、老後への準備がしっかりできる体力と経済力がある時期。

片づいた家で居心地よく暮らすために、今一度、家じゅうの持ち物や収納を見直してみてはいかがでしょうか。