©Disney/Pixar 写真:ゼータイメージ

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ディズニー&ピクサー『トイ・ストーリー2』(1997)のワンシーンが、『トイ・ストーリー3』(2010)物語を予言していた……?同2作は「持ち主から忘れ去られる」というおもちゃの宿命を掘り下げた前編・後編の物語として楽しむことができる。

『トイ・ストーリー2』では、玩具屋「トイ・バーン」の店長アルに奪われてしまったウッディを救出すべく、バズらアンディのおもちゃたちが奮闘する物語。ウッディは一生をアンディのおもちゃとして過ごすか、日本の博物館を新たな活躍の場とするか、究極の選択を迫られる。

劇中終盤、子ども嫌いで日本行きを一番心待ちにしていた金鉱掘りのおもちゃ・プロスペクターはバズらに捕えられた時、思わずこんな残酷なことを口にする。「君ら(おもちゃ)はいずれガキどもに壊されるんだ。バラバラにされ、捨てられて、どこかの埋立地でゴミにまみれて、腐っていくんだ」。

この時こそ、「勝手にほざいてろ」とプロスペクターの忠告を意に介していない様子だったウッディたちだが、続く『トイ・ストーリー3』では、まさしくその状況に直面してしまう。同作では持ち主のアンディも大学生となり、おもちゃは不要に。特別にアンディに連れて行かれることになったウッディも手違いにより家に置いていかれてしまい、おもちゃたちは新天地の保育園に辿り着く。

以降、遊び盛りの子供たちにこき使われる毎日を過ごしていたウッディたち。ある時、保育園内でおもちゃたちのヒエラルキーがあることを知り、保育園からの脱走計画を実行することに。しかし終盤では、脱走中のウッディらの前にヒエラルキーの頂点にいた悪党のロッツォが立ちはだかり、ゴミ処理場へ向かうことになってしまう。そしてウッディらはプロスペクターの予言通り、“ゴミにまみれて”焼却されそうになってしまったのだ。

『トイ・ストーリー3』のクライマックスの状況とピタリと一致するプロスペクターの言葉、製作陣は『トイ・ストーリー2』制作時からウッディたちの運命を知っていたのだろうか。と考えたくもなるが、2作の間には13年の月日が経過している。考えられるとすれば、『トイ・ストーリー3』の開発中にプロスペクターの一言がクライマックスシーン誕生のきっかけとなったということだろう。

ところで、ウッディらに捕まった子供嫌いのプロスペクターは博物館で永遠の命を得るどころか、女の子のリュックに無理やり押し込まれていた。かつて玩具屋で売れ残るという屈辱を味わったプロスペクターは今頃何をしているだろうか。

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